最低賃金・09人事院勧告を中心とした夏季賃金闘争の推進に向けて
2009年6月8日
第7回東京自治労連拡大中央執行委員会
1 はじめに
8月上旬から中旬の最低賃金決定及び2009年人事院勧告に向けて、夏季賃金闘争を迎えます。
政治的意図を背景に急浮上した公務員夏季一時金の0.2月凍結問題では、旺盛な闘いが展開されましたが、当局提案どおりでの決着を余儀なくされています。
労働基本権代償措置としての第3者機関である人事院が、政治的な動きに基づく臨時勧告を強行し、これに多数の地方人事委員会・自治体当局が追随したことに示されるように、自治体労働者の賃金闘争において、政府・人事院に対する取組は極めて重要です。
また、今回の一時金凍結攻撃が、大手製造業を中心とした一時金抑制結果を全体の8割と言われる一時金未決定の民間労働者に強要するとともに、春闘水準・最低賃金の抑制を狙う財界の総人件費削減攻撃に国家的に加担するものであり、最低賃金引き上げの闘いの強化が求められます。
2 夏季一時金闘争の到達点
(1)0.2月凍結を余儀なくされる
公務員夏季一時金の0.2月凍結問題は、国においては5月29日に参議院本会議で給与法改正案が可決・成立、特別区は5月25日、東京都は5月26日に人事委員会勧告どおりでの決着を余儀なくされています。また、人事委員会を有さない市職においても、国・都追随の当局提案どおりでの決着を強要される結果となりました。
衆参本会議において野党民主党が賛成に回り、都人事委員会勧告に対して都議会民主党が「都においては、勧告を重く受け止め、実施に必要な措置に真摯に取り組むよう求める」という幹事長談話を自民・公明両党と共に発表するなどの政治的動向が、私たちの闘いに極めて不利な政治的状況を作ったことは間違いありません。
(2)極めて多くの問題点
今回の一時金一部凍結問題は極めて多くの問題点を有する不当なものです。第1に、政府与党が総選挙を前に公務員バッシングを政治的に利用しようとしたものであること、第2に、こうした政治的動きに人事院が第三者機関の役割放棄し、精確性・妥当性を著しく欠いた臨時勧告を強行したこと、第3に、賃金決定ルールの乱暴な蹂躙であること、第4に、大手製造業を中心としたわずか13.5%の企業の妥結結果を全体に強要し、民間労働者賃金全体を抑え込むものであること、第5に、地場賃金・地域経済に大きな影響を与え、深刻な不況のもとで内需拡大型社会経済システムへの転換に逆行するものです。
また、多くの地方人事委員会が「意見申し出」にとどめるなどの対応を行ったことに対して、東京都・特別区人事委員会は、独自調査も無しに「勧告」を強行すると共に、東京都人事委員会においては勤勉手当割合引き上げの策動を行うなど、全国的に見ても悪質な対応を行っています。
(3)重要性を増す夏季賃金闘争
今回の一時金問題一部凍結問題は、あくまで「暫定措置」として決着したものであり、09年人事院・人事委員会勧告に向けた闘いが重要となります。特に、人事院・政府の対応が強力な地方統制を背景に各自治体の賃金闘争に大きな影響を有しているもとで、09人事院勧告に対する闘いを重視して取組みます。
また、最低賃金引き上げ闘争についても、財界の雇用破壊・賃金抑制攻撃が強まるという昨年以上の逆風の中で闘われることから、その強化をはかることとします。
3 最低賃金引き上げ闘争
(1)深刻な低賃金構造
厚生労働省発表(5月29日)では、昨年10月から今年6月の非正規労働者の失職は21万6408名に達します。昨年9月の世界経済危機突入まで、大企業は史上最高益を更新し続け、莫大な内部留保を蓄えてきたにもかかわらず、溜め込んだ利益を抱え込んだまま、雇用責任・社会的責任を放棄し、「派遣切り」に称される雇用破壊を推し進めてきた結果です。あわせて、解雇と同時に生活困窮状態に陥る事態は、深刻な低賃金構造を表面化しました。
現在の「最低賃金制度」がまともに機能せず、低賃金の温床となっていることに他ならず、最低賃金の大幅な底上げと全国一律制度確立が求められます。
(2)8月初旬を山場とした最低賃金闘争
中央最低賃金審議会の最賃審議日程は、6月3日に諮問、7月14日から目安小委員会における審議が始まり、8月3日に中賃目安答申、これを受けて東京都最賃答申という日程となります。
(3)生活保護水準を大きく上回る最低賃金を実現しよう
2007年末の国会において、わたしたちの運動が、「生活保護との整合性確保」を明記した「最低賃金法の一部を改正する法律」を成立させました。
改正法を背景とした取組の中で、昨年は従来を大きく上回る全国平均16円の最賃引き上げを実現しました。東京都の最低賃金についても、766円へ27円(3.65%)引き上げとなりましたが、東京地方最低賃金審議会参考人(東京都生活福祉部保護課長)による説明でも、生活保護が適用にならない時間額は「1150円」であり、その水準に遠く及ばないものとなっています。
財界・使用者側は、不況を口実として、最低賃金底上げの流れを反転・逆流させようとする姿勢を強めていますが、改正法の趣旨に基づく最低賃金水準の確保へ全力で取組を進めていくこととします。
(4)具体的な取組
「最賃デー」行動など中央行動、東京地評の取組を重視し、人事院勧告に対する取組と結合して闘いを進めます。
@第3次中央最賃デー行動
名称:「6.30中央最賃デー〜怒りのハンガーストライキ!座り込み行動」
日時:6月30日(火)8:00〜19:43
場所:厚生労働省前
対応:昼(12:15-55)の厚生労働省・人事院前要求行動及び、行動終結集会(19:00-43)を中心に全単組からの参加(組合旗持参)を集中します。
A第4次最賃デー
7月23日(木)に日比谷野外音楽堂を中心に実施される第4次最賃デー行動は、最低賃金大幅引き上げと09人事院勧告に向けた要求実現を掲げ、人事院勧告前の夏季闘争最大の中央行動として取り組まれます。
この取組を重視し、詳細決定後、各単組に参加要請を行います。
B東京地評等の取組への結集
東京春闘共闘会議・東京パートネットワークが共同で実施する「6.15雇用を守れ、均等待遇実現、最賃大幅引き上げ 第2次団体要請、宣伝行動」をはじめとして、東京地評などが取り組む諸行動に積極的に参加します。
C個人・団体署名の集約促進
5月18日付、第2009-391号で各単組に依頼した09最低賃金に関わる個人署名(内閣総理大臣・厚生労働大臣宛)及び団体署名(厚生労働大臣・中央最賃審議会会長宛、地方労働局長・地方最賃審議会会長宛)について集約促進をお願いします。
集約の目途については、(ア)6月30日第3次中央最賃デー行動提出、(イ)7月23日第4次最賃デー行動提出を踏まえて、東京自治労連に集中願います。
4 2009年人事院勧告へむけた闘い
(1)賃金改善を前面に掲げた闘い
人事院勧告にむけて、内需拡大型社会経済システムへの転換を柱に、一時金問題を含めた賃金改善を前面に掲げて取り組むと共に、自治体賃金に大きな影響を与える持ち家住居手当廃止反対、臨時・非常勤職員賃金改善・均等待遇実現などを掲げて闘います。
あわせて、総務省を中心に「制度は国準拠、水準は地場」を基本とした政府による強力な地方統制に対して、地方自治の視点から介入反対の闘いを進めます。
(2)具体的な取組
@個人署名の重視
従来の組合員・家族対象の人事院宛要請署名については、組合未加入者や非正規職員を含めた全職員を対象とした「職場連判状」署名に形式を変えて取り組まれます。
組合員数を上回る署名集約数を目標として、全職員を対象とした署名運動を重視し、庁内世論結集の取組として進めます。
A団体署名の取組
今回の夏季一時金一部凍結問題では、民間春闘に対する否定的影響を踏まえて、官民一体の取組で闘いを進めてきましたが、一層の官民共同闘争強化が求められています。
全労連公務部会・公務労組連絡会から、団体署名の取組が提起されるため、東京自治労連はもとより、構成全単組が地域労組・諸団体に団体署名協力要請を行い、団体署名集約の取組を展開します。
B人事院等要請の取組
6月9日に、自治労連関東甲越ブロック協議会による人事院関東事務局要請行動が実施されます。東京地評による人事院要請行動、交渉組織(都労連・特区連)の人事委員会要請行動など、人事院・人事委員会要請行動に主体的に参加します。
C中央行動の取組
最低賃金大幅引き上げ要求と併せて、人事院勧告前の夏季闘争最大の中央行動として取り組まれる7月23日の第4次最賃デー行動については、全単組からの参加と参加要請数の確保を目標として、重点的に取り組みます。
5 その他の夏季賃金闘争の課題
(1)公契約闘争
5月13日の参院本会議において、全会一致で可決された「公共サービス基本法」では、第11条に「国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。」として、公共サービスの実施に従事する者の労働環境整備へむけた努力規定が盛り込まれ、公契約運動の前進に向けた大きな前進が見られました。
現在、東京土建一般労働組合と公契約運動に関わる実務者協議を設置して、運動の具体化へ向けた検討を進めており、秋季年末闘争期に具体的な行動提起ができるよう対応を進めます。
(2)臨時・非常勤職員賃金改善・均等待遇実現へむけて
臨時・非常勤職員の賃金・労働諸条件改善および雇用確保の闘いは、各単組の奮闘によって今春闘期に大きな前進を築きました。
しかし、総務省が4月24日付で「臨時・非常勤職員及び任期付短時間勤務職員の任用等について」を通知したもとで、各自治体当局が雇用管理や手当問題などに関わる制度改悪の策動を強める可能性があり、自治労連方針に基づく意思統一と対応強化を図ります。
同時に、都内自治体の非常勤職員雇用に関わって多数を占めている雇用更新回数限度については、総務省通知や国会質疑などにおいても否定されていることを踏まえ、秋にむけてその撤廃へむけた方針提起の準備を進めます。
以上

