参議院選挙を闘う東京自治労連の構えと基本要求
2010年 6月 7日
東京自治労連 第7回拡大中央執行委員会
はじめに
たび重なる公約違反、不透明な政治資金で世論から見放された鳩山総理が、6月2日、辞任しました。
マスコミによる世論調査のたびに内閣支持率が低下し続け、直近の時事通信調査では支持が1割台(19.1%)と麻生内閣の退陣直前と同様の低水準となりました。また毎日新聞が5月末に実施した緊急世論調査でも、普天間基地問題の責任をとって「退陣すべき」との回答が58%を占めるなど、国民世論が辞任に追い込んだものです。
そもそも、昨年8月末の総選挙により政権交代が起きたのは、貧困と格差を拡大して生活を破壊した自公政治に対する国民の批判的な審判の表れであり、国政を国民本位に転換したいという世論がこの劇的な変化をもたらしたものです。
ところが鳩山政権は、国民要求に基づく公約を掲げながらも、米国と財界に対して国民要求に基づく明確な主張を行えないという構造的問題点を背景に、労働者派遣法の「改正」は穴だらけ、普天間基地問題では「最低でも県外」「辺野古に移設するのは環境に対する冒涜」とまで述べていながら、結果として自公政権の結論と同じ「辺野古に基地を新設する」という日米合意を結ぶなど、公約違反を積み重ねました。
同時に、公的保育制度解体や公務労働否定と自治体「構造改革」推進のための「新しい公共」・「地域主権改革」・「公務員制度改革」の具体化を加速させるなど、新自由主義・「構造改革」路線に基づく新たな国民生活破壊を推し進めています。
民主党政権に自公政治からの脱却を求め、国民生活の改善を望んだ多くの国民の期待は裏切られました。そのため、鳩山政権の支持率は下がり続け、結果として辞任に追い込まれたものです。
東京自治労連は「構造改革」路線と正面から対決し、貧困と格差の解消、国民・労働者の生活と権利の擁護、地方自治の発展、世界と日本の平和を求めて運動を続けてきました。新政権との間でも重大な争点として「行革」「地方分権改革」「公的保育制度」をめぐる闘いをはじめとした国民的課題を正面に掲げ、全労連・自治労連の提起する中央闘争へ主体的に結集して、要求実現と政治の流れの転換をめざして闘ってきました。
国政のあり方は、住民生活や地方自治のあり方、自治体職員・関係労働者の労働諸条件にも大きな影響を与えるものです。7月に行われる参議院選挙は「構造改革」路線を真に転換させるか否かの重要な選挙となっています。東京自治労連は、要求闘争と結合して、政治啓発を含め積極的に取り組みを進めて、大いに奮闘するものです。
1.参議院選挙をたたかう意義
1)真に「構造改革」路線を転換させ、国民の要求が実現できる政治を目指す選挙です。
新自由主義・「構造改革」路線に基づく新たな国民生活破壊を進めている民主党政権の抜本的転換を求めることが必要です。
民主党には期待を裏切られ、自民党にも戻れない国民の思いのもと、次々と新党が生まれています。しかしながら、どの新党も社会保障をずたずたにした「構造改革」路線を推進し、国民と公務員を分断させる攻撃をしかけ、国民の切実な願いに正面から向き合おうとしていません。
国民の要求とは相容れない、これらの策動の本質を見抜き、「構造改革」路線を根本から転換させるために奮闘し、国民の要求を実現する政治に変えましょう。
2)貧困と格差をなくし、誰もが安心して暮らせる社会を実現する選挙です。
企業に派遣切りを許したのは政治の責任です。骨抜きとされた労働者派遣法「改正」を、抜本的に見直すことをはじめとして労働法制の改善を求め、最低賃金の大幅引き上げなどを実現しましょう。社会保障を地域まかせにし、国のナショナルミニマムをなくす「構造改革」路線をやめさせ、後期高齢者医療制度の即時廃止など、社会保障制度の充実を図り、誰もが安心して暮らせる社会に変えましょう。
3)地方自治を守り、働きがいのある職場をつくる選挙です。
憲法を暮らしに活かすためには、住民のために仕事をする地方自治体に権限と財源が保障されることが必要です。同時に、総定数抑制政策や総人件費抑制政策をやめさせ、自治体や関連労働者が誇りをもって住民全体の奉仕者として仕事ができるようにすることが必要です。自治体職場から官製ワーキングプアをなくし、雇用や労働条件が守られる社会を実現しましょう。
4)改憲の流れを止め、平和憲法を守り、いかす選挙です。
改憲手続き法が5月に施行されています。憲法審査会の始動を許さず、改憲の流れを止めることが必要です。普天間基地に代表される米軍再編と基地強化を許さず、自衛隊の海外派兵を拒否し、世界に誇る平和憲法を守り、活かす流れをつくりましょう。
2.参議院選挙をたたかう「構え」
労働組合として職場に政治の風を吹かせ、組合員・家族が主権者として選挙権を行使する取り組みをすすめます。
これまでの自治労連や東京自治労連の運動に確信を持ち、私たちの要求実現のために奮闘する勢力の前進を目指します。
国民との分断を許さないため、国民との対話・共同を進めます。
3.参議院選挙にあたっての基本要求
1)労働法制の改悪を許さず、誰でも人間らしく「働くルール」の確立を求める
@労働者派遣法を抜本的に改正し、派遣労働者保護法の成立を求めます。
A生活保護基準に及ばない低賃金の「ワーキングプア」を解消するため、最低賃金の大幅引き上げを求めます。
B偽装請負・違法派遣をやめさせ、安定雇用の拡大を求めます。
2)社会保障や医療・教育の充実を求める
@社会保障費を充実させ、後期高齢者医療制度の即時廃止、介護保険制度の改善、障害者自立支援法の抜本的な改正、年金制度の改善、国民健康保険の改善等を求めます。
A「新たな保育の仕組み」による公的保育制度の解体・市場化をやめさせます。待機児の解消を求め、国・自治体の責任で認可保育所の増設を求めます。
B医療崩壊の現状を改め、医療従事者の増員と処遇改善を求めます。
Cすべての子どもたちが憲法に基づき、ゆきとどいた教育を受けることができるよう求めます。
3)庶民大増税を許さず、内需拡大、国民生活と中小企業を応援する政治に変える
@低所得者への負担増となる消費税の増税に反対し、大企業や資産家に応分の負担を求めます。また日常生活必需品と関連支出を非課税にすることを求めます。
A内需拡大のために労働者の大幅賃上げを求め、個人消費を活性化させるとともに、中小企業と地域経済への支援を抜本的に強化することを求めます。
4)新たな公務員攻撃を許さず、民主的公務員制度の確立を図る
@全体の奉仕者を否定し、政府と財界に奉仕する公務員へと変える公務員制度改革を許さず、能力・業績主義による人事管理強化をやめ、公正・中立な人事行政の確立を求めます。
A現業労働者の賃金切り下げや人員削減をやめることを求めます。
B自治体で働く臨時・非常勤職員の雇用の安定と均等待遇を求めます。
C公務員の労働基本権の全面的な回復を求めます。
5)地方自治をさらに発展させ、住民本位の自治体の確立を求める
@地域主権関連3法案(地域主権改革一括法案、国と地方の協議の場に関する法律案、地方自治法一部改正案)による、保育所を含む福祉施設の最低基準の廃止・緩和などについて、憲法第25条などのナショナルミニマムが低下しないよう、国の責任を明らかにさせます。
A地方交付税の税源確保と法定率の引き上げで、財政保障機能と財政調整機能を充実させることを求めます。
B住民自治を形骸化させ、大企業中心の公共投資を集中的に推進する道州制を止めさせます。
6)憲法改悪を阻止し、憲法と平和を守る
@「戦争する国」づくりを許さず、平和憲法を守ることを求めます。
A改憲を許さないため、憲法審査会を始動させないことを求めます。
B普天間基地の即時・無条件撤去を求めるとともに、米軍再編と基地強化、日本の役割強化に反対します。
C自衛隊の海外派兵に反対します。
D唯一の被爆国として、政府が核兵器の廃絶の先頭に立つことを求めます。
4.具体的な取り組み
1)「政党からの独立」「資本からの独立」「一致する要求での共同」の三原則に基づき、組合員の政党支持・政治活動の自由を保障して闘います。
2)「自治体の仲間」号外の参議院選挙特集号など、全労連や自治労連本部の宣伝物や資料を活用して悪政の転換を組合員に呼びかけます。
3)国民要求・組合員要求実現のため、関係諸団体との共闘を強め、地域宣伝等を行います。
4)不当・不法な干渉、介入、弾圧には顧問弁護団とも連携して、機敏に対処します。
