「新銀行東京」への400億円追加出資可決強行に強く抗議する
2008年3月27日
東京自治労連書記長
荻原 淳(書記長コメント)
 都民のくらしと営業は深刻な実態にあり、福祉や医療、教育の充実を求める要望は切実である。都民の貴重な税金の遣い方が問われる時、開会中の都議会第一回定例会では、「新銀行東京」への400億円追加出資問題が審議の焦点となった。「新銀行東京」の経営破たんと追加出資問題の徹底究明を求める都民世論を無視して、都議会与党の自民党・公明党は、予算特別委員会において石原知事提出の補正予算案に賛成し、400億円追加出資を可決強行した。両党は、@さらなる追加出資は許されない、A今回の400億円は棄損させない、B経営支援や監視のための専門組織を設ける、という3項目の附帯決議を行った。しかし、同様の決議は設立時にも行っており、都民負担を増大させない担保にはまったく値しない。400億円もの都民の血税投入を提案した石原知事、これを容認した自民党・公明党の暴挙に対し、大きな怒りをもって抗議する。
 
 東京都は2005年4月、都民の危惧を無視して1000億円を出資し、都が出資額の84%を占める「新銀行東京」を設立した。「新銀行東京」は、中小企業への支援を旗印にしながら、資金調達に苦労している中小企業が借りることが困難な高い金利で貸し出し、しかも不十分な調査で過剰な融資を行って焦げ付きを多発させてきた。融資先に占める中小企業の割合も年々落ち込み、中小企業支援の看板は名ばかりである。目標を達成するため、無担保で無理な融資を行い、融資の実施から数ヶ月で経営破たんした会社も多い。累積赤字は年々膨らみ、昨年9月の中間決算で936億円、本年3月末では1016億円となり、都の出資額を上回る見込みである。本年1月末時点で焦げ付いた融資額は285億円に達した。「新銀行東京」側は、今後4年間で融資の焦げ付きが600億円に増大する、としている。経営破たんは時間の問題である。400億円の追加出資が行われ、仮にこれが焦げ付けば都の一般会計の損失をさらに拡大することになる。
 また、委員会の審議のなかで、開業にあたっての条件であった、3年間で黒字にするという見通しまで偽装され、書き換えられたものであった疑惑も浮上している。石原知事と都議会は、徹底的な調査を行って真相を明らかにすべきである。
 
 石原知事は、追加出資はしないと繰り返し言明してきたにもかかわらず、実質破たん状態の「新銀行東京」を救済するため400億円の追加出資を突如決定し、2008年度の補正予算案として提出した。すでに実質的な経営破たんが明らかな企業に対し、さらに都民の税金をつぎこむことは、都民に対してまったく説明がつかない。各種世論調査でも圧倒的多数の都民が反対し、石原知事に責任ありとするなかで、ほとんどのマスコミが追加出資はすべきでないと批判している。
 
 「新銀行東京」の過剰な融資は、東京都が基本計画にそって過大な融資目標を銀行側に押し付けてきた結果であることが、都議会の審議の中で明らかになっている。これは石原知事も了承のうえで行われてきたことである。これほど重大な問題が指摘されても、石原知事は参考人招致や資料提出を求める都民の声に対して真剣に応えていない。「新銀行東京」が都に提出した調査報告書の全文を公表するなど、真相を徹底して明らかにすべきである。石原知事は、自らの任命責任を棚にあげ、旧経営陣が非常識な経営を行ったからだと責任転嫁に終始している。都民の貴重な税金を無駄にしてきた重大な責任を自覚し、400億円の追加出資をただちに撤回して、金融庁による指導や破たん処理など早急に抜本的な対策を行うべきである。
 
 東京自治労連は、真相究明を求める都民世論に応え、「新銀行東京」の経営破たん問題と石原知事の重大な責任を明らかにし、貴重な税金の無駄遣いをやめさせ、都民のくらし、営業、福祉を守るため、全力で奮闘するものである。
以 上