2008年4月9日
医療移送費の大幅引き下げ強行に抗議する
東京自治体労働組合総連合
中央執行委員会
 厚生労働省は、3月3日の社会・援護局関係主管課長会議で示していた生活保護受給者の医療移送費(交通費)の取り扱いを大幅に変更する運営要領案について、4月1日付けで正式に実施する局長通知を出した。これは、東京都や首都圏七都県政令市の主管課長連名による緊急要望書(3月21日付 本来給付すべきものを削減することには問題がある。最低生活保障として欠くべからざるものとして給付されてきたという連続性に配慮し、自治体の意見を聞き慎重に決定すべきとの内容)を始めとした全国の自治体や、生活保護受給者などからの強い反対の声を無視する拙速なものであり、この蛮行に対し怒りをこめて抗議するものである。
 この通知は、これまで生活扶助では賄いきれない需要に対する扶助として医療移送のための最小限の実費を扶助してきたものを、支給範囲を大幅に限定するものである。これにより生活保護受給者に対し支給されてきた通常の通院にかかる移送費が原則支給対象外となる。しかも、移送費給付の要否意見書の有効期間を6ヶ月から3ヶ月に半減するなど、3月に案として示されたものよりさらに制限を加えた内容になっている。そして4月からの実施を求め、「是正期間」として3ヶ月の是正期間内に給付の見直しを求めている。
 この通知により、生活扶助として支給された保護費の中から通院交通費を工面せざるを得なくなり、傷病を抱える保護世帯の生活を大きく圧迫する。実質上、生活保護基準の切り下げと同じ結果となるもので、重大かつ深刻な影響のある、許しがたい改悪と言わざるを得ない。
 通院移送費を原則不支給とする理由として厚生労働省は、「濫給防止」を掲げ、約2年間で総額2億3千万円を超える額が不正受給されていた北海道滝川市における事案を持ち出している。しかし、通院移送費全般の支給実態に関する調査をいっさい行わないまま、極めて特殊な詐欺事件を理由に少額の通院移送費全般を削減しようとするのは、明らかに論理のすり替えである。
 濫給防止の必要性があるにしても、従来保障してきた大多数の生活保護利用者の通院交通費を扶助できなくする「改正」では、たとえば精神科のデイケアや難病のために通院している方が、移送費の工面ができず治療が中断・悪化する懸念がある。
 医療機関を原則として管内のものに限るという方針も医療事情を全く反映していないものである。精神疾患や人工透析等で必要に迫られ管外の医療機関を利用している実態を無視し、まさに命の問題にもなりかねない改悪である。生活移送費について、管内あるいは近接地という限定を加えていないことと比較しても、全く道理がない。
 東京自治労連は、今回の通知を実施させないために、関係諸団体とともに全国的な運動を広げていき、撤回させるまで闘うことを表明する。
以 上