第二次財政再建推進プランに対する東京自治労連の見解と態度

2003年11月12日 
中央執行委員会 

1.はじめに
   東京都は、10月17日に第二次財政再建推進プランを発表しました。これを発表するに先立ち、6月18日「途半ばにある財政再建」を、来年度の予算編成にあたって7月24日「都政の構造改革の視点と方向」や9月には「新たな都庁改革アクションプラン」(中間のまとめ)等を矢継ぎ早に発表し、都庁改革の基本的考え方と方向性を示し、それらをベースとして、さらに一歩踏み込んだ改革にするとしています。その方向性とは、「市場原理」「規制緩和」に基づき都の守備範囲を見直し、「都市再生」と称して大規模開発事業を推進しようとしています。そのために「東京の活力を呼び戻す先進的な取り組みを進めていくためには、一日も早く都財政の構造を改革し、強固で弾力的な財政体質を確立しなければならない」と述べています。また、16年度から18年度までに限らず中長期的な課題や構造的な課題に取り組むとしており、この第二次財政再建推進プランは都政のあり方を根本的に変えようとするものです。

2.第二次財政再建プランの問題点の指摘と東京自治労連の見解
  都財政の現状と今後の収支見通し
 東京都は、16年度4,100億円、17年度3,500億円、18年度3,700億円の財源不足が見込まれるとしてます。しかし、この4年間を省みれば全て当初見込みの税収を上回り、14年度末補正予算で基金を都の計画より1,000億円多く積み、524億円の赤字決算を行うなどの財政操作を行っています。また、9月都議会の委員会では、「都税収入は堅調」と言いながら、今回も都合のいいデータのみを使って意図的に財政不足を宣伝し、都民を欺くための数字であることは明らかです。
 財政再建の目的が、「新たな都民ニーズに応え、東京に活力を呼び戻す先進的な取組」というならば、「都民生活に関する世論調査(平成14年11月)」の発表によると、「都政への要望」では、1位だった「高齢者対策」に代わり、「医療・衛生対策」が初めて1位となり、次に「高齢者対策」「環境対策」「消費生活対策」「学校教育の充実」と続いています。しかし、今回の見直しでは、こうした医療・福祉・教育・産業などの都民施策を根こそぎ剥がし、国基準並もしくは国以下のサービスに切り下げようとするものであります。「新たな都民ニーズに応える」とするなら、公的な都民アンケート結果のこれらの都民要望に積極的に応えるのが都政の役割のはずです。まさに、大企業の「新たなニーズに応える」ために大規模開発の「都市再生」に必要な財源を生み出すための財政再建を進めていくものと言わざるを得ません。

財源確保の具体的方策
 第一に内部努力を掲げて、目標額1,000億円とし、4,000名の定数削減、賃金の抑制、退職金の削減などをあげています。職員定数の削減にむけては、事業全体を民営化するアウトソーシングの導入や人材派遣を活用して常勤職員を中心とする事業執行体制を見直すとか、公営企業は民営化や独立行政法人化の検討を進め、都立学校事務の統合化など自治体の本来の業務から全面的に引き上げる準備を進めていくもので絶対に認める訳にはいきません。
 今回の定数削減は、指定管理者制度やPFI、地方独立行政法人化などの手法を無条件で受け入れようとするものであります。これらの手法は、公務員の身分・労働条件にも関わる重大な問題であり、まさに労働組合の存在が問われるものとして、組織の総力を上げて闘う必要があります。
 また、新たな賃金カットの導入や継続、退職金の見直し、人事制度の改悪、さらに警察、入管局への職員の派遣も具体化されるならば、より一層の労働強化と不払い残業の増加となり、過労死の可能性が増え、職員の志気の低下は避けられないものとなります。

施策の見直し
 施策の見直しでは、目標額1,200億円とし、「現場からの発想」に基づき、各局が主体的に見直すと局に責任を押しつけ、各局も都民団体や予算要求等で職場の意見を集約している労働組合等の要望にには応えようとしていません。逆に「施策の廃止・休止」「積極的な民間活力の活用」などを判断基準として自治体の市場化を推進しようとしています。
 また、「補助金の見直し」では、長期継続補助の見直しとして、高率の補助金で任意的なものは、市町村振興、調整交付金、特別区都市計画交付金、私立学校教育助成事業、シルバーパスの交付、民間社会福祉施設サービス推進費など都民生活に直結するものを見直しの対象としています。
 しかし、区市町村補助の削減では、区長会、市長会が異議を唱え、八王子市・東村山市・狛江市・国分寺市・武蔵村山市・奥多摩町議会の自治体では「第二次財政再建推進プラン」の策定の中止を求める意見書が採択されています。
 民間保育園に対する「サービス推進費補助」の縮小・廃止の動きに対して、園経営者・職員、父母から批判と反対の運動が広がってきています。民間福祉施設への補助金の削減に対しても福祉保育労東京地本が2割もの削減に反対として連日都庁前で宣伝抗議を行っています。
 このように1,200億円もの削減は、都民生活に直結する施策の切り捨て・引き下げであり、都民へ一層の犠牲を強いるもので、とても認めることは出来ません。

歳入確保、地方税財政制度の改善
 歳入確保では、受益者負担の適正化として、使用料・手数料を見直し、減免措置などについても見直すとし、「付表」では、「救急搬送業務」の民間業者育成や転院搬送の有料化などにも言及しています。受益者負担の強化を一層押し進めようとしています。
 地方税財政制度の改善では、1,100億円の財源を確保するとしていますが、「第1次プラン」での達成率では、61%しか確保出来ていません。他の区分は全て超過達成していますが、今回も警察の国庫負担、国直轄事業負担、首都高速道路公団への出資・貸付については、問題点の指摘にとどめ、トーンを下げています。従ってこの実現可能性については極めて不透明であります。本格的に税源委譲を求めるならば、国に対し、地方自治を拡充する真の財源を求める立場で対決すべきです。

 以上の方策によって18年度には3,700億円の税源確保をするとしていますが、こうした方策は、都民や職員犠牲によって財源を確保し、大企業奉仕の大型開発を進め、「住民の福祉の増進を図ることを基本」とする自治体の役割を放棄し、石原都政の都政リストラの新たな段階と変質をめざしたものであります。
 東京自治労連はこれまでも、都財政再建は臨海副都心開発や大型公共事業投資の都財政運営を見直すことで、財源不足を解消し、都民施策の拡充は可能であることを明らかにしてきました。引き続き広範な都民にこのプランの不当性を知らせ、都民本位の都政の確立をめざす立場で「第二次財政再建推進プラン」の具体化を許ず、都民生活を守るために奮闘する決意を表明して態度とします。