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児童福祉法の改悪を国に求め、保育の市場化の実現を迫るもの
児童福祉法は、「国及び地方公共団体は…児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う(2条)」「市町村は、保護者の労働又は疾病その他…児童の保育に欠けるところがある場合…それらの児童を保育所において保育しなければならない。(24条)」と定めています。
しかし、「まとめ」は、国に対し「児童福祉法」の具体的な改悪として、「『保育に欠ける』要件の見直しと直接契約制度の導入」を求めています。「まとめ」がめざす改悪は、保育所を誰もが自由に利用できる利用施設に変え、保育所が自由に顧客を選び、自由に保育料を取れる「商品としての保育」を実現すること、即ち保育の市場化の実現を求める重大な内容です。
また、「認証保育所」を保育所改革の先導役として、認可保育所の一類型としてや子育て支援事業や就学前児童の総合施設などさまざまな方法で「認知」を求めています。認証保育所は、「利用者本位のサービスのあり方を示し、都民からの支持を得ている」としていますが、児童福祉審議会で出された資料でも「認証保育所や保育室から認可保育所に移る人の割合は、A区では保育室8割・認証保育所5割、B区では全体で5割、C区では3割、D区で7割」と報告され、保護者の多くが「認可保育所に入るまでのつなぎ」と我慢しているといえます。こうした実態があるにもかかわらず、「まとめ」が、認証保育所の認知を迫ることは、子どもの健やかに育つ権利も保護者の子育てする権利も無視し、企業参入を最優先し、認可保育所の保育水準の引き下げと、保育料の大幅引き上げで、保育の市場化を強引に進めることしか考えていない都の意向だけを反映したものといえます。 |
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「都加算補助の見直し」で実施責任を放棄し、都の責任を管理監督に矮小化するもの
従来の都の保育施策は、都加算補助の運用を中心に、東京の子どもと保護者に広域自治体として提供する保育の実施責任を明確にしてきました。
そもそも都加算補助は、低すぎる国の児童福祉施設最低基準を補い、東京特有の保育要求に応えた認可保育所の保育内容を担保するもので、0歳児保育対策、時間延長保育対策、障害児保育対策など対策に応じて具体的な内容を規定しています。しかし、「まとめ」では、現行の都加算補助を廃止し、全児童対策として、保育サービスの拡充と子育て支援全般の充実に活用できる包括的なものにと求めています。廃止の理由として、「延長保育、0歳児保育等のサービスの実施率が低い」「加算補助が必ずしもサービスの向上を促すものになっていない」と指摘しています。
「実施率が低い」といっていますが、児童福祉審議会資料では、平成15年度の0歳児保育実施率は公立で66.24%、私立で86.2%。延長保育は公立で52.1%、私立で73.6%となっています。この数字から「実施率が低い」とか「加算補助が役にたっていない」と言えるのでしょうか。
また、「サービスの向上を促すとともに、子育て支援全体を拡充する方向で見直しを行うことが必要」と見直しの方向を示しました。予算や人員を増やさず、保育所に出している予算を、子育て支援の予算にまわすというのは、総合的に子育て支援施策を拡充するべき国や自治体の責任を放棄し、認可保育所を利用している家庭と在宅で子育てする家庭を対立させるものです。総合的な「子育て支援」は必要ですが、このような見直しは、子どもの豊かな成長を保障するべき児童福祉審議会の役割からみて恥ずべきものです。
東京の待機児童については、全国最多の8830人(03年10月厚労省発表)と増加しています。この待機児童をどう解消するのかは、児童福祉審議会の重要な課題です。しかし「まとめ」は、「低年齢児を中心に急増する待機児童を解消するために、多様な運営主体の参入を促すと共に既存の認可保育所においてもサービス内容の拡充を図り、多様化する保育サービスの需要と供給のミスマッチを改善した上で、必要な受け入れ枠の拡大や施設の増設を行うことが重要である」と抽象的に述べるだけで、保育所の増改築や新設など具体的な財政援助策にすら踏み込んでいません。 |
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「質」を問題にしながら「市場化」の競い合い、保育をサービスにするもの。
さらに、保育を一般的保育サービスと福祉的保育サービスに分け、一般的保育サービスに「親の就労支援」を含め、「応益負担」という市場原理に任せるとしています。「保護者の働く権利の保障」は、保育要件の根幹です。これを「応益負担」にすることは、労働者は「保育を金で買う」ことになります。また、福祉的保育サービスを「障害児や、現在増加している養育困難や虐待等の問題を抱える家庭の子どもの保育など福祉的ニーズに積極的に取り組むべき」と具体的に上げ、認可保育所の役割を救貧施設に限定させようとしています。
「サービスの質の向上」として、認可外保育施設への指導監督の強化や、「保育事業者向けガイドライン」「第三者評価システム」を認可・認証を問わず普及・定着するとしています。このような制度を通じて、情報提供とサービス水準の向上を計るとしていますが、保護者は、サービスがいいからといって遠くの保育所を選ぶことは考えにくく、選べる範囲で選ぶことになり、むしろ保育の市場化への競い合いを進めるものです。このような東京都のあり方は、財政負担の軽減と都の指導監督の強化で、強引に保育の市場化を進めることにほかなりません。 |
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区市町村の政策を「保育の市場化」に進めるもの
区市町村は、「住民ニーズに的確にこたえ、供給量の確保、多様な保育サービスの提供等、サービス内容の充実を図っていく責任」と「次世代育成支援対策推進法による幅広い次世代育成支援対策の展開」が求められています。都はそのための区市町村への支援をいっていますが、区市町村の役割を強調し、都の実施責任には触れないばかりか、都加算補助のみなおしと、その他の子育て支援に関する様々な補助を包括的に見直すとしています。これでは、区市町村も保育の市場化に荷担せざるおえません。
さらに、都として権限外の保育料について「保護者が負担する保育料については応益負担という考え方の下に受益と負担の公平性を考慮した利用者負担の検討を期待する」と、保育料の大幅な値上げを区市町村に要求するにいたっては、児童福祉審議会の役割を逸脱していると言えます。 |