御挨拶
 −第5回自治研集会全体会にあたり−
『水の流れに、木が沈んで石が浮かぶ』

第5回東京地方自治研究集会実行委員長 

 柴 田 徳 衛


 世にも不思議な時代を表現するのに、こんな言葉が使われる。今の日本は、誠にこうした時代にある。老後の生活に命綱となる国民年金の積立金が多くムダに横流れし、福祉施設と称して無用な建物を何億円もかけて建設し、利用者不足と二束三文で売り飛ばされる。それに誰も責任をとらない。
 巨額な予算で人道援助と自衛隊をイラクに派遣するが、サマワの宿営地にロケット弾が撃ち込まれ、外に出るのも危険だし、香田さんの救出どころでない。イラクにいるから、新潟地震の被害者に応援もできない。
 消費税の税率引き上げの観測気球が次々と揚げられ、生活保護・失業保険・身体障害者・・・の予算が次々に削られようとしている。君が代を歌い、わが身を顧みず君の馬前に名誉の戦死をせよと命令される時代のようだ。なにか昭和15年か16年――大東亜戦争に突入する時代が再現しているようだ。市民生活を平和で豊かにするため税金があり、その使途を明らかにするため政府があるはずなのに、すべて逆の方向に進むようだ。
 我々の自治研究集会は、一応分科会として別々に開催されてきたが、この全体集会を機会に、これら個々の成果を踏まえながら、現在の都政、そして国の政治がどう進んでいるかを参加の皆さんとここで考えたい。
 皆さんは、職種や地域別に色々分かれているから、分科会として運営せねばならないが、そこで「予算が足りない」「人員が足りないから」と愚痴をこぼしあい、参加者の全員が「その通りだ」とその結論に賛成し終わったら、すべてが解決しつつ何事も解決していない。なぜ予算が足りないのか、なぜ人員がリストラや欠員不補充・・で不足するかなどを、分科会を横につなぐ全体集会で考えて欲しい。せっかくの折なので、他の分科会の人たちと交流し、知り合い、都政全体そして国の政治全体を考えるよすがとして頂きたい。
 ブッシュ大統領再選で、イラクをめぐる情勢はいよいよ悪化しよう。米国の財政も、戦費拡大により、これから赤字が本式に増大しよう。ドル価値が暴落すれば、米国債を巨額に保有する日本経済を直撃する。
 今日ここに参加の皆さんが、本日の集会に自分のふところ勘定、毎日の生活に直結するものとして臨み、大さな成果をあげて頂きたい。