東京都教育委員会は7月28日、日本の侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」)の教科書を都立中高一貫校4校と知的障害と盲学校を除く障害児学校の中学部で来年度から使用することを決定した。東京自治労連は採択しないようにと417件もの都民・教員が出していた請願を一切無視して、教育行政の反動化をより一層推し進めようとする都教委の採択に強い怒りを持って抗議するものである。
都教委は、当初予定を一ヶ月も繰り上げて「つくる会」教科書を強行採決した。この背景には、全国でも、東京都内でも続々と「つくる会」の教科書が不採択となり、これまで採択されたのは唯一、栃木県大田原市だけであることに危機感を募らせ、政治的な影響をつくりだすために急いで決定したものである。採択にあたった教育委員6人は「つくる会」教科書を選んだ理由を一切言わず、委員会で議論もなく決めたことは、より悪質なものと言えるものである。
「つくる会」が作成した教科書は、排外的な民族主義をあおり、アジア諸国に対する侵略に反省どころか美化している。さらに、大東亜戦争は正義の戦いだったとする靖国神社の歴史観と全く同じであることが明らかにされた。「国家のために死ぬ」ことを当然視することは、今日の人権感覚とは相容れない。
「歴史教科書」は、国際平和の実現と逆行して憲法九条の改悪へ子どもたちを誘導するものである。このような教科書が、日本の子どもたちの教科書として使用されると、ゆがめた日本の歴史を教えて、子どもたちの将来を誤らせる深刻な問題を引き起こすことになりかねない。
都教育委員会が多くの反対意見を無視して採決を強行したことは、独善的な石原都政の憲法無視・人権敵視の姿勢を肯定し、推進するものと言わざるを得ない。都の教育委員自らが、「日の丸・君が代」強制や性教育への攻撃など、教育に強権的に介入し、統制を進め、教育行政の反動的役割の先頭に立っている。改めて憲法、教育基本法の原点に返り、自らの姿勢をただすことを強く求める。
東京自治労連は「つくる会」の歴史教科書・公民教科書が東京の子どもたちに教科書として使用されることに強く反対し、引き続き各区・市で採択しないよう求めていくものである。そのため、各自治体での取り組みの教訓を活かし、広範な都民・教職員などと連帯して奮闘するものである。
以 上
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