都民犠牲・大企業優遇の「財政構造改革」をストップし、
  回復した都財政で都民・職員の切実な要求を実現しよう
「平成18年度予算の見積もりについて(依命通達)」をはじめ、
来年度予算・都政運営方針等に係わる各種文書について
2005年8月4日
自治労連都庁職書記長 石橋 映二

 
1.はじめに
 東京都は7月11日に「都におけるマンパワーの動向と今後の方向」、7月26日に「平成18年度予算の見積もりについて(依命通達)」「『重要施策2006(仮称)』の策定について(依命通達)」「平成18年度組織及び職員定数方針並びに監理団体職員数等調整方針について(通知)」および「都財政が直面する課題」を公表した。これら一連の文書は今後の都政運営と来年度予算の方向と枠組みを示したものである。

2.「都におけるマンパワーの動向と今後の方向」とは
 「団塊の世代」の退職と「フリーターやニート」の増加などをあげ、「従来のように労働市場への参入がすすんでいくとは限らない」として労働者の供給が「相当程度減少」することを今後の人事管理の前提としている。その上で「公務部門が民間企業をしのぐ規模で採用を行うことは、人的資源の社会配分上、好ましくない」と強調し、マンパワーの減少に見合う見直しで「第二次財政再建推進プラン」以上の定数削減を行うとしている。マンパワーの量の減少に対し、「少数精鋭主義の徹底」によって対応するというのである。具体的には「事務事業の廃止・縮小」「区市町村との役割分担の見直し」「@民間委譲・民営化APFIの活用B指定管理者制度の活用C業務委託(アウトソーシング)の推進D人材派遣の活用などの『民間活力の活用』」「地方独立行政法人制度の活用」などの「行政の守備範囲の見直し」と、本庁組織の再編や事業所の見直しによる「効率的な執行体制の構築」とをあげている。これらを柱に徹底した都政リストラを推し進めることを宣言したものであるといえる。来年度の予算編成作業についてもこの観点が前提になっている。

3.予算編成・組織及び職員定数方針の今年度の特徴
 「平成18年度予算の見積もりについて(依命通達)」では、この間の都政リストラの積み重ねと税収増を受けて、24年ぶりの「ゼロシーリング」となった。しかし「強固で弾力的な財政基盤の確立が必要」で、来年度が「第二次財政再建推進プランの最終年度」であるとして、これまでの都民犠牲と大型公共事業を推進することを強調している。
 同時に発表された「都財政が直面する課題」では、「隠れ借金」「大型施設設備更新費用」「都債利払い費の増加」をあげて不安をあおり立て、三位一体改革による「社会保障関係費」増、退職手当の財政負担や区市町村に対する支出金に削減攻撃の矛先を向けている。
 ゼロシーリングとは言いつつも重点事業のうち新規事業はシーリングの枠外とした上で、「事業の存廃」を含めた見直しを要求し、さらには国の三位一体改革による一般財源化対象事業についても「厳しく精査」して、削減・縮小を示唆している。監理団体についても指定管理者制度をはじめとした「民間との競争」を理由に「内部努力」を進めるとしている。また各種補助金、とりわけ「区市町村への財政支援」については660もの補助金一覧を示した「都財政が直面する課題」を受けて、いっそうの縮小・削減を求めている。
 「『重要施策2006(仮称)』の策定について(依命通達)」においても「知事本部と十分調整」した上で、これまでの都民犠牲の上に大型公共事業を推進する「都政の構造改革」をさらに進める計画の作成を求めている。
 これらを受ける形で「平成18年度組織及び職員定数方針並びに監理団体職員数等調整方針について(通知)」では、「第二次財政再建推進プラン」の削減目標を達成し、さらなる見直しで「少数精鋭」の執行体制の確立を求めている。再雇用職員、試験研究機関、独立行政法人、監理団体についても見直し・縮小を求めている。ただでさえ人員削減のもとで深刻な職場状況がいっそう拡大することは明らかである。

4.都民犠牲で削減された施策の改善をめざして
 全体として石原都政の都民犠牲・大企業優遇のこれまでの「都政構造改革」を確実に推し進め、「東京構想2000」の描く「都政」の完成に向けた予算編成を求めたものである。同時に現在、都当局は「能力業績主義」強化の給与構造改悪によって、人件費削減と職員分断を進め、悪政推進に従順な職員づくりをねらっている。
 自治労連都庁職は05年度予算分析の中で、今年度の当初予算案の段階で04年度最終補正と05年度税収見込みをあわせて6000億円を超えており、財政不足は都の過小な見通しであることを明らかにして、石原都政の都民・職員犠牲・大企業優遇の「都政構造改革」を正面から批判してきた。石原都政によって多くの都民が犠牲を強いられ、圧倒的多数の組合員が「都民のための仕事をしたい」という基本的な願いを踏みにじられているもとで、都政の役割を放棄し都民・職員犠牲の予算編成を行うことは断じて許されるものではない。自治労連都庁職は、都財政が一定の好転を見、「マイナスシーリング」がない今こそ全ての組合員の団結を力に都民との共同を広げて、都民要求実現と都民本位の都政確立のため全力で奮闘する決意である。

以上