2005年9月22日
東京都人事委員会
委員長 内田 公三 様
東京自治体労働組合総連合
                    中央執行委員長 堤  敬
2005年東京都人事委員会勧告に対する要請書

 日頃、東京都職員の賃金、労働条件改善など職員の利益保護のため活動されていることに対し敬意を表します。
 人事院は8月15日、国家公務員の給与等の勧告を行いました。その内容は、官民較差を△0.36%(平均△1,389円)とし、基本給と扶養手当を引き下げ本年4月に遡って適用、一時金については0.05月引き上げるというものです。これは、相次ぐ賃金削減と定数削減のもとでの自治体労働者の切実な仕事と生活の実態から見て、とうてい認められるものではなく、しかも、4月に遡っての実施は、「不利益不遡及」の法理を踏みにじるものであり容認できません。
 さらに重大なことは、来年4月以降「給与構造改革」を行うとして、(1)国家公務員の俸給表を全国一律4.8%引き下げ、(2)中高年層の賃金を一層引下げる「昇給カーブのフラット化」、(3)現行調整手当を廃止し、新たに0〜18%に格差を拡大する「地域手当」創設、(4)普通昇給・特別昇給を廃止し、成績主義による「査定昇給制度」を導入するなど、公務員の賃金制度を50年ぶりに抜本的に見直す改悪を勧告したことです。
 同時に、総務省「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」は、8月11日に「地方公務員の給与構造見直しに関する基本的方向性」をとりまとめ、その中で「国家公務員給与における見直しなどを参考としつつ行うべき」としています。この史上最悪の勧告は、国家公務員だけの問題ではなく、地方公務員にも多大な悪影響を及ぼすことは明らかです。
 すでに東京都人事委員会は、7月7日、労使双方に対し、国の給与構造改革を受けて、この秋の勧告に向けて現段階における検討状況を説明し、国・人事院に追随する考え方を示しています。
 私たちは、賃金の生計費原則、「同一労働・同一賃金」原則の遵守、住民に犠牲を強いる「自治体構造改革」などを推進する公務員づくりを狙う「能力・成果主義」の導入・強化に反対、住民とともに歩む自治体労働者の職場や仕事づくりの推進という立場から、国・人事院の2005年勧告への追随、自治体における具体化を許さないために、下記の項目について要請します。

(1)勧告給料表について
・昨年報告された729円の較差について、本年の勧告で是正すること。
・東京都職員の生計費の著しい増加、厳しく切実な生活実態を改善できる月例給の勧告を行うこと。
・マイナス較差の勧告、マイナス較差の遡及実施を行わないこと。国・人事院に追随し給料表の一律引き下げは行わないこと。
・国・人事院同様の「4分割」給料表を勧告しないこと。
・枠外昇給制度を廃止しないこと。

(2)諸手当の改善について
・調整手当は給料表額に繰り入れること。地域ごとに賃金に不当な格差をつける「地域手当」を導入しないこと。
・住居手当、扶養手当など地域・生活関連の諸手当を抜本的に改善すること。
・管理職手当を比較給与種目に加えないこと。

(3)一時金について
・一時金については、民間企業の大幅な改善状況を正確に報告することにとどめること。
・勤勉手当は期末手当に一本化すること。勤勉手当比率の拡大、成績率の適用拡大は行わないこと。

(4)昇格・昇給制度、級格付制度について
・昇格・昇給制度は現行制度を踏まえ、抜本的に改善すること。昇給カーブのフラット化を行わないこと。
・級格付制度を維持すること。
・集団で協力して職務を遂行する自治体職場に、能力主義・成果主義を強める「査定昇給」制度を導入しないこと。

(5)教育職関係給料表について
・新たな教育職関係給料表は、職務の専門性に見合う水準に改善するとともに、現行体系を踏まえ作成・勧告すること。

(6)労働時間の縮減、福利厚生制度の拡充等について
・年間総実労働時間を縮減し、不払い労働を解消するため、厚生労働省の通達・指針等を踏まえ抜本的な措置をとるよう意見を申し出ること。
・地方公務員法第42条の規定に基づき、使用者が東京都職員の福利厚生等を抜本的に拡充するよう意見を申し出ること。
・東京都の職場におけるメンタルヘルス対策を抜本的に改善すること。東京都に働く男女労働者の家族的責任を重視するとともに、職場における男女平等の実効性確保、救済措置の強化に資する意見を申し出ること。

(7)評価制度、人事考課制度の改善について
・評価制度、人事考課制度について、労使が十分な協議を行うよう意見を申し出ること。

(8)東京都の公務職場における「均等待遇」原則の実現について
・自治体職場に働く臨時・非常勤職員、公契約の事業に従事する関連労働者及び派遣労働者の賃金・労働条件について、「均等待遇」の原則に基づき改善の措置をとることを、意見として申し出ること。
以 上