| 2005年10月14日 |
| 国追随の給与構造見直し方向を鮮明にした 都区人事委員会勧告に強く抗議する(コメント) |
| 東京自治労連書記長 野村 幸裕 |
| 10月14日、東京都及び特別区人事委員会の勧告が出されました。今年の勧告は、国・人事院が、マイナス勧告に加えて「給与構造の見直し」を強行し、また、ほとんどの政令指定都市が国同様の給与構造見直しは「検討の必要がある」として先送りするなかで、都・区の人事委員会がどのような勧告を出すのか、全国から大きな注目を集めるなかで出されました。 都の勧告は、国を上回るマイナス3681円、△0.85%、減額の4月遡及適用、一時金は勤勉手当を0.05月引き上げ、配偶者にかかる扶養手当は国を上回る1000円引き下げ、などが主な内容です。特に、昇給カーブのフラット化を進めるとして、削減率は若年層の0.1%に対して高齢層は1.8%となっています。その一方で、給与水準の職級間の重なりを是正するとして、行政職(一)の7級(課長職)の引き下げは抑制するとしており、管理職優遇の姿勢を露骨に示しています。 区勧告の内容は、国、都を上回るマイナス4191円、△0.97%、減額の4月遡及適用、一時金は勤勉手当を0.05月引き上げ、配偶者にかかる扶養手当は国を上回る1000円引き下げ、などです。 いずれも都区職員の生活実態を無視した不当なマイナス勧告であり、断固抗議するものです。 都の給与構造の見直しでは、「年功的給与上昇を抑制し、能力・業績を反映しやすくするため、給与水準を是正し、給与構造・制度を改革する」としています。具体的には、来年4月実施として、(1)給料表1・2級の統合、(2)本年のマイナス給料表を前提に来年度から号給の昇給幅を4分割、(3)普通昇給・特別昇給を統合し昇給時期を4月に統一、(4)枠外昇給を廃止、(5)昇格時の号給決定は一定額加算方式とする、としています。給料と地域手当の配分のあり方は引き続き検討、としています。なお、昇給カーブのフラット化、行政職(一)の7級(課長職)の引き下げ抑制は本年4月から実施するとしており、給与水準改悪の先取りはきわめて不当です。 区の給与構造の見直しでは、「年功的給与上昇を抑制し、能力・業績及び職責に応じた適切な給与制度を実現するため、給料表構造、昇給・昇格方法、手当制度を見直し、勤務実績を給与に反映する」と強調しています。来年4月以降できる限り速やかに、(1)給与カーブのフラット化、(2)本年のマイナス給料表を前提に現行の号給を4分割、(3)行政職(一)等1・2級の統合、(4)普通昇給・特別昇給を統合し、評価期間と昇給時期を統一する必要がある、(5)枠外昇給を廃止する必要がある、(6)昇格メリットを図るため一定額加算方式とすることの検討、(7)国における月額の引き下げや地域手当に関する特別区における対応は引き続き慎重に検討、としています。 区勧告での改悪を中心とした特徴点は、級格付制度の廃止に向けての検討が必要、一般職員への成績率導入・成績率設定の検討や勤勉手当割合の引き上げが必要、職務段階加算の率については職責の違いを明確にする方向で見直す必要、管理職手当の定額制への見直しを引き続き検討、等があげられます。まさに区長会側が強く主張してきた制度改悪そのものであり、職員の利益保護を逸脱する不当な内容です。昇給停止年齢については、業績連動の給与制度のもとで廃止を検討としています。 勧告「意見」として、人材確保と計画的・組織的な人材育成の推進、職員の勤務環境の整備(都勧告)、評価制度を確立し給与に反映する仕組みを整備、人材確保と職員の育成・活用、勤務環境の整備(区勧告)等に言及しており、使用者の側に意向にそった内容も目立っています。 都区勧告に共通するのは、能力・業績主義強化の4分割給料表や昇給カーブのフラット化など、国・人事院の給与構造見直しに追随する方向性を鮮明にしており、職員の労働基本権剥奪の代償機関であり、職員の権利と労働条件を守る中立の機関としての役割を逸脱した不当な勧告を行っていることです。しかし、地域手当の取り扱いなどでは、これまで独立した自治体として給料表を含め独自勧告を行ってきたこととの整合性がとれず、矛盾を深めるものについては、国と異なる取り扱いをせざるを得なかったことも含まれており、当然のことですが都・区人事委員会としての一定の見識を示したともいえます。私たち自治体労働者と都内の民間労組・団体が共同して取り組みを強化したことの反映といえます。 東京自治労連は、都・区当局はもとより、各市町村に対し、勧告として強行した改悪内容の具体化や実施をさせない取り組みを強化し、すべての労働者の賃金・労働条件の抜本的な改善をめざして、都区市の公務・公共・関連労働者の団結と闘いへの結集を強め、都民や民間労組・団体との共同をおおいに拡げて、職場・地域で要求実現まで総力をあげて闘い抜くものです。 |