|
|
| 2005年11月14日 東京自治労連中央執行委員会 |
|
東京都は、2006年4月から現行の認可保育所運営費補助「(ゼロ歳児保育特別対策事業、11時間開所保育対策事業、延長保育事業、産休等代替職員補助事業、障害児保育事業、一般保育対策事業)や、学童クラブ運営費補助事業、子ども家庭在宅サービス事業補助(トワイライトステイ等事業)、子育て広場事業(A型)、定期予防接種補助事業、3歳児健康診査補助、3歳児健康診査補助(歯科)、乳幼児歯科相談補助」の13事業の補助を廃止し、交付金化する方向を打ち出しています。「交付金化」とは、お金の使い道をその事業に限らず、自治体の裁量で何にでも使えるようにすることです。この提案は、東京都の保育・学童保育等に対する責任放棄であり、保育・学童保育や子育て支援を大きく変質させるものです。 今、子どもや子育てをめぐる状況は、就労の流動化による保護者の働き方の変化などにより自治体として、子育て支援を充実させることが一層重要です。保育園では、増え続ける待機児童や夜間にかけての延長保育要求、学童保育も待機児童増への対応など今までにも増して、施策充実が求められています。同時に保健所や子育て支援センターの充実など子育て支援の一層の充実が必要です。自治体労働者は、今こそ、専門性を生かし子どもと地域、職場を守ることが求められています。 東京自治労連は、以下の見解を明らかにし、廃止・交付金化に反対し保護者をはじめ住民に広くこの事態を知らせ制度存続に向けて職場から闘いを進めていきます。 1.父母・住民の保育要求を実現した都基準を事実上なくす 認可保育所運営費補助は、1967年「ポストの数ほど保育所を」の都民の運動で作りだした革新都政が、あまりにも低すぎる保育の国基準を補い、東京の特殊性を加味して作りだしたものです。それは、保護者の保育要求に応えて、働く保護者の権利と子どもの健やかな発達、あわせて保育労働者が働き続ける権利を保障させてきた制度です。 第1にゼロ歳児保育の推進に向け、保育士、保健師(看護師)、調理士を配置しました。その結果、ゼロ歳児の成長に応じた離乳食への対応も可能になり、看護師(保健師)の配置は、独立した職種として専門的に子ども達の健康管理が可能となりました。 第2に保護者の勤務時間を保障するため、国の8時間保育の原則を拡大し、午前7時30分から午後6時までの保育を実施してきました。人員増による保育時間の延長(現在11時間開所事業)は、正規保育士のローテーション勤務で保育時間の全てに責任を持つことができるようになりました。各区市では、この都基準を基本ベースにしてさらに内容を充実させています。 第3に国基準では3歳児以上の主食給食はなく副食のみですが、東京では全ての子どもに完全給食を実施させてきました。そのために調理士を配置しています。東京の保育が「食育」を重要な内容として取り入れた役割を果たしています。 第4に障害児保育の充実のために保育士を増配置し、障害児を受け入れながら共に育ちあう保育として実践してきました。 その他にも「充実保育士」の配置、産休代替職員の配置に対する補助なども行っています。まさに、保護者の働く権利と子どもの発達の保障、保育労働者の働く権利を共に保障しているものです。 こうして都基準は、東京の認可保育所であれば、どこでも一定の水準の保育が受けられるように、東京都の責任と区市町村の保育実施責任を担保するものとして位置づけられてきました。 2000年4月、国が保育所運営に企業参入を認めたにもかわらず、東京では、この都基準があるために企業参入は事実上不可能でした。なぜなら保育にかかる費用の8割は人件費であり、国基準をはるかに上回る人員配置と保育内容を保障する都基準は、保育の市場化を阻止している防波堤の役割を担っています。 都補助制度の廃止・交付金化の東京都の狙いは、02年「都市型保育システムへの転換」(福祉局内部資料)で明らかなように企業参入の最大の障害「都基準」をなくし、企業参入を一気に推し進めるために行うものであり、保育の市場化の大きな流れをつくるものです。 2.学童保育、児童館が変質する 学童クラブ運営費補助は、革新都政時代、学童保育が児童福祉法に規定される以前から、「児童福祉施設」として小学校低学年の子どもたちの放課後に責任を持つために創設された補助です。 この補助により専用室と専任の指導員が配置され、子ども集団が形成され、指導員が作る指導計画のもとで継続的な指導が可能となりました。この基本が崩されれば、集団の力で子どもが育つ「保育」としての学童保育は、困難になります。今、地域で子ども集団の育成が困難になっている中、学童保育は貴重な経験の場であるとともに、保護者の就労の増加などによりその必要性が増しています。この補助が無くなれば、職員配置の基準がなくなります。今、指定管理者制度などによる公設民営化や民間委託が進行していますが、この傾向に拍車をかけるものとなり、自治体の責任放棄につながります。 3.3歳児健康診査等 3歳児健康診査は、すでに国の補助金が打ち切られ、医師会委託等が進行しています。さらに東京都の補助金が「交付金」という形で曖昧にされれば、この傾向に拍車がかかります。「健康診査」は、発達のリスクや児童虐待の発見に欠かす事のできないものです。その「健康診査」をないがしろにすれば、子どもの発達する権利を自治体が保障することができなくなります。 4.自治体に事業の実施を義務付けない交付金制度 交付金化は、「個別事業に対する補助」という現行の基本を崩すことです。たとえ総額が確保されたとしても、交付金の使い方は自治体が自由にできるため、各区市町村がこれまでの都加算補助金を別な目的、例えば「地域子育て支援」の予算に回すことも予想されます。その結果、職員増配置させてきた都基準をなくして保育水準を国並みに引き下げながら、実際の予算を増やしていないにもかかわらず、「子育て支援を充実」したと発表できることになります。しかし、各区市町村にしてみれば、施策の切り下げや新たな財政負担に直結することになり、その影響は重大です。また、施策存続や充実を求めれば、保育料をはじめとした保護者負担を増やす口実ともなります。 5,対応の基本 保育の市場化は、自治体の責任放棄であり、子どもの健やかな発達と保護者の働く権利、あわせて保育労働者の権利を奪うものです。住民のくらし、権利を守るために働いている自治体労働者が「子どもの権利を実現するために」保育制度の拡充を求めて連帯し、今まで以上の大きな共同をつくりだし、攻勢的な闘いを進めることが必要です。 以下の取り組みを基本に対応します。 1)補助制度が果たしている役割と攻撃の本質、廃止・交付金化による影響を学習し、住民宣伝を職場から旺盛に取り組みます。 2)特に保護者へ早急に知らせ、共同の学習や宣伝を大きく広げます。 そのための学習・宣伝資材を準備します。 3)地域の民間保育園など関係全施設への呼びかけや、関係団体等との共同した宣伝・申し入れ活動を取り組みます。 4)自治体要請や懇談、議会各会派への請願、陳情を保護者や関係団体と共に取り組みます。 5)「公的保育・福祉を守る東京実行委員会」に結集し、学習会、宣伝行動、東京都、都議会、市長会、町村会、区長会への要請等を取り組みます。 |
|
| 以上 |