2005年11月30日
労働行政の責任を放棄する労働安全衛生法
「改正」強行断固抗議する(コメント)
東京自治労連書記長
 野 村 幸 裕
 10月26日、解散前の国会で審議未了廃案となった、労働安全衛生法一部「改正」案等が短時間の質疑で自民・公明・民主・社民の賛成多数によって可決・成立しました。この「改正」法案は、時短促進の政府責任を放棄するものであり、労働者の健康と命を守り、過労死や過労自殺、精神障害の発生を予防することにまったく逆行した不当なものです。今回の法「改正」により、過労死を予防するどころか拡大し、国際公約の時間短縮目標の放棄で長時間労働をさらにひどくすることになります。
 「月100時間超の時間外労働をした労働者本人からの申し出がない限り産業医の面接指導をしなくても良い」としているのは、法改悪の核心といえます。「月の時間外労働が80時間」を「月100時間超え」に大幅に後退させ、本人の申し出を用件としています。時間短縮促進法を廃止して「年間総実労働1800時間」の時短目標を放棄し、閣議決定も廃止する改悪内容です。
 財界系のシンクタンク、社会経済生産性本部の調査でも残業が月60時間以上になると「自殺願望が増える」と警告を発しています。労働者の競争を激化させている成果主義がはびこる企業社会では、労働者が簡単に残業規制を申し出られる状況にはありません。そのことが過労死や過労自殺を生んでいます。医学的所見でも月45時間の超勤を超えると、脳・心臓疾患の発症との関連性が指摘されています。
今後、省令を出すにあたっては、国会附帯決議を踏まえた労働政策審議会での審議・合意やパブリックコメントの募集・集約が前提とされています。
 ほとんどのマスコミは、今回の法改悪について報道せず、国民にその危険性を知らせていません。東京自治労連は、法改悪に対する労働者全体のたたかいに結集し、審議会委員への要請、パブリックコメントの集中などの諸行動を提起し、学習や宣伝などを含め、労働時間短縮に向けて全力で奮闘していきます。
以上