2006年国民春闘中間総括(案)
2006年5月10日
東京自治労連中央執行委員会
はじめに
 東京自治労連は、1月29日、第28回中央委員会を開催し、2006年国民春闘方針を確立しました。春闘方針では、闘う3つの課題として「憲法を地域・職場でいかし、教育基本法、地方公務員法改悪阻止、国民投票法の成立阻止、国民保護法阻止」「雇用、賃金、医療を守り、大増税に反対し、国民生活を擁護する」「NPM行革・給与構造改革など『新地方行革指針』」に基づく自治体構造改革に対決し、組合員の労働条件と都民生活を守り、革新・民主の自治体実現をめざす」を掲げました。また4つの闘う基本的構えとして、「10割職場討議の追求」「全ての単組・支部・分会・部会・職場からの要求提出」「一自治体一共同の取り組み」「組織拡大・強化」の取り組みを進めてきました。
 06国民春闘は、節目の春闘となりました。戦争する国づくりを進める政府・財界の矛盾が4点セット(BSE、耐震偽装、ライブドア、官製談合)で国民の前に明らかになる中での闘いでした。
 低賃金を強いられる労働者の声に後押しされ連合の大企業労組も賃上げ要求を掲げました。要求額は職場要求とはかけ離れていましたが、要求を掲げて闘う全労連のこれまでの闘いの正しさを証明するとともに今後の運動に道を開くものとなりました。
 職場からの参加と地域の共同を追求して取り組んだ、06国民春闘の成果と課題を共有化し、夏季闘争、自治体リストラ反対の闘いや秋季・年末闘争へ闘いを発展させるため、以下のとおり06春闘の中間総括を提案し、定期大会まで単組・職場での討論をお願いします。


1.どのような情勢であったか
1)憲法改悪、悪政強行阻止を軸にした国民的闘争
  日本を「戦争する国」へと転換させるため、自民党は、「新憲法草案」を発表し、民主党憲法調査会も「憲法提言」を公表し、公明党も「加憲」という名の改憲案をまとめようとしています。政府は、戦争する国づくりの一環として愛国心を教育現場に押付ける教育基本法の改悪法案を国会に提出し、改憲手続きのための国民投票法案も164国会への上程が予定されています。
 一方、憲法改悪反対の運動は国民的規模で広がっています。「九条の会アピール」に賛同する「会」は全国で4700を超え、職場・地域や各階層で広がり全国的な世論の動きになりつつあります。
 政府は、在日米軍基地再編・強化では、住民、自治体、首長などの反対を無視し、グアムへの移転費用の分担についても一方的にアメリカ追従して国民の声を無視する態度に終始しています。
 靖国参拝問題で小泉首相は、近隣諸国との対話も行わず、参拝継続の態度を示しています。小泉自民党は、このような動きを進めるために、反対勢力の運動に対して共謀罪や地方公務員法の改悪を企てています。これは、憲法21条集会・結社・表現の自由を侵害し、民主主義への挑戦であり、引き続き大義を持った闘いを進める必要があります。

2)政府・財界一体の構造改革戦略で、社会保障・医療改悪など国民への攻撃
  財界の意向に沿って政府は、「小さな政府」論に基づく「構造改革」を進めています。規制緩和と公務公共サービスの市場化による企業の公務部門への参入は、耐震偽装問題等の社会問題を生み出しました。政府は、官民労働者の分断、国民・住民と公務労働者とを分断しながら、財界の意向を受け行政改革推進法・市場化テスト法による自治体の市場化を一挙に押し進めようとしています。公務員の「総人件費削減の基本指針」では、国家公務員の5年で5%削減、市場化テストの導入・給与制度改悪で今後10年間・対GDP比で半減するとしています。地方公務員についても、4.6%を最低ラインとして純減を求めています。一方、3月29日総務省は「新地方行革指針」に基づく集中改革プランの数値目標は、都府県、政令都市などの職員削減率が5.3%になると発表しています。
 社会保障関係では、政府06予算に自然増分の圧縮、医療制度の改悪で、入院患者・高齢者負担増、介護保険料の引き上げ、年金保険料引き上げ・年金給付額削減を盛り込みました。また児童扶養手当給付費負担金や義務教育費国庫負担の縮減・廃止引下げ、教員の定数削減で教育予算の削減を行い、地方間教育格差を生む要因を自治体に委ねました。また、年金全体の低位水準化を狙い、共済年金、厚生年金の一元化を閣議決定しました。
 今、国民生活の状況悪化はますます広がっています。小泉「構造改革」路線と強権政治を許さない国民的運動が今後も求められます。

3)「格差社会拡大」賃金・雇用破壊を進める政府・財界
  政府・財界は相次ぐ労働法制の改悪と大規模なリストラで、低賃金・無権利労働者を多く生みだしました。非正規雇用労働者は、1607万人に増え全労働者の3割を超え、若者は5割がフリーターで不安定雇用労働者、若年無業者は80万人を超える事態になっています。東京春闘共闘第2回自治体キャラバン調査では、都内自治体の臨時・非常勤職員が、全職員中平均25.6%に達していること、また賃金(時間給)が、地域の民間労働者を多くの自治体で下回っていることが明らかになりました。
 国民生活では、小泉内閣4年間で家計の所得は約40万円、総額18兆円も減少しています。生活保護世帯も144万人を超えています。一方純資産1億円以上が134万人を超えるなど、格差が拡大しています。大企業は、空前の利益を上げ12兆円も増やし、82兆円の余剰利益を積み上げました。さらに、「雇用の金銭解決制度」「ホワイトカラーエグゼンプション」など、労働基準法などの法的規制を排除し、一層リストラを促進する仕組みが企てられています。

4)自治体の変質と都政・市区政のリストラ攻撃
  「新地方行革指針」では、自治体は企画部門のみを担い、サービス部門は企業に委ねるとしています。そのツールとして、民間委託、指定管理者制度、地方独立行政法人、PFI事業、市場化テストなどで営利企業は50兆円のビッグチャンスと参入を狙っています。
 石原都知事は、「構造改革」路線を先頭に立って推進しています。都民に対しては、自己責任と自立自助を求め、競争原理による市場化によって福祉分野などにおける公的責任を放棄し、憲法に基づく自治体の住民生活向上という役割を否定しています。東京都においては、東京版市場化テストのモデル事業の選定と早期実施、市場化テストの対策事業の洗い出しを明言しました。
 多くの市区町村は、国や都の介入や財政難を口実に、指定管理者制度による民間委託や窓口業務の委託拡大など、住民福祉の後退を行っています。
 今まさに、憲法の保障する「団体自治」「地方自治」を住民とともに今後も創り上げる必要があります。

2.国民への全面攻撃の中で前進した国民春闘
1)強まる政府・財界の攻撃
  アメリカと財界要求に基づく「小泉構造改革」による国民生活への攻撃は、憲法改悪、米軍基地再編・強化問題、大増税、社会保障改悪、年金改悪、労働法制改悪をはじめとしたあらゆる分野に及んでいます。行政改革推進法、市場化テスト法など行革関連法案に見られるように、「小さな政府」、「官から民へ」の攻撃をいっそう進め、国や自治体の責任を否定し、国民の財産をアメリカや大企業に売り渡す動きを強めています。また、「小泉構造改革」の国民への攻撃は、格差社会を肯定し、公務労働者と民間労働者、若年層と高齢者など分断を持ち込みながら進められています。

2)前進した国民春闘
  財界が春闘解体攻撃を繰り返し、財界の意向に沿って「規制緩和」が小泉政権によって進められ雇用・賃金破壊が進んでいるもとで、06国民春闘は、連合大手労組でも賃金引上げを要求せざるを得なくなりました。国民春闘共闘に結集する労働組合や労働者は、賃上げとともにさまざまな制度・政策の改善・拡充、改悪法反対の取り組みを進めました。
 賃金闘争では、国民春闘共闘4月中旬の回答では単純平均5842円、加重平均6415円、2.00%の引き上げ回答を引き出し、前年同期を上回っており、5年振りに有額回答を引き出した大企業労組を含めた連合の妥結水準も上回り、多くの仲間が闘争を継続しています。
 「小さな政府」に反対する国民世論をひろげ、「経済格差を是正し、安全・安心の社会、住み続けられる日本」をめざし、全労連は「もうひとつの日本闘争本部」を設置しました。3月〜4月の全国キャラバンでは、自治体要請や首長との懇談、シンポジウムなどが全国で開催され、首長や自治体、住民に共感が広がりました。東京春闘共闘の自治体キャラバンで懇談した自治体も昨年の36から46自治体になっています。
 3月、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機部隊移転受け入れの賛否を問う岩国市の住民投票が行われ、米軍移転を約9割が反対し、有権者の過半数を超えました。沖縄、鹿児島、神奈川など自治体ぐるみで反対運動を展開している首長、議会、住民への激励と在日米軍再編・強化、基地恒久化、米軍と自衛隊の一体化を押し進める小泉政権とブッシュ米政権に対する痛烈な批判となりました。さらに、岩国市長選挙や沖縄市長選挙で基地再編強化に反対する首長が当選したことは多くの仲間を激励するものとなりました。
 ILO理事会は3月29日、日本の公務員労働者の労働基本権にかかわる勧告を承認しました。今回の勧告は、政府が「公務員制度改革」をすすめるもとで全労連などが2002年3月にILOに提訴していた案件に対するもので、2002年10月、2003年6月につづく三度目の勧告となります。内容は、二度の勧告で指摘した公務員労働者の労働基本権保障と、その実現にむけた労働組合との協議などの努力を日本政府にあらためて強く求めたものとなっています。また、現在、国会提出されている「行政改革推進法案」にも言及し、法案が「結社の自由原則に沿ったものとなるよう求める」としています。小泉内閣が、公務員の労働基本権を制約したままで、「小さな政府」にむけた総人件費削減などを強行しようとしているもとで示されたILO勧告は、重要な意義を持っています。

3.東京自治労連における取り組み
  東京自治労連は、国民春闘共闘委員会、全労連、自治労連、東京春闘共闘などの春闘方針をふまえ、06春闘勝利に向け3つの課題と4つの闘う基本的構えに春闘方針の具体化を行いました。

1)憲法改悪阻止、「戦争できる国」づくりに反対する取り組み
  自民党が10月28日、現行憲法を大幅に改悪する内容の新憲法草案を決定したもとで、自治体条項に関する中央執行委員会の見解と態度を明らかにし、「憲法をいかす自治体労働者東京連絡会」を軸にした運動参加を呼びかけました。「東京連絡会」は、3月4〜5日、勤労者通信大学・憲法特別コースを宿泊で100名の受講生を組織し、憲法講師育成の取り組みを行いました。経済支部、港湾支部などの自治労連都庁職、多摩市職、豊島区職労、目黒区職労などの各単組でも憲法特別コースの取り組みを行い、東京の自治体関係の憲法特別コース受講者総数は、242名となっています。
 「ピースツアー おきなわ」実行委員会が2月16日結成され、6月22〜25日開催の準備が進められています。
 1月25日「憲法改悪に反対する東京共同センター」が発足し、「憲法を守る会」、「九条の会」など組織や運動づくりを進めることや、全都999箇所宣伝に積極的に参加してきました。女性部では「平和を守ろう・憲法改悪反対 ブロック別宣伝行動」を大山駅、錦糸町駅、三軒茶屋駅で実施しました。
 東京自治研集会テーマ4「いま東京から平和を考える」のミニ学習会として1月「基地再編と有事体制・国民保護計画」、2月「戦争する国づくりへ…よみがえる家族主義と強められるジェンダー」、3月「自民党改憲草案と地方自治」が開催されました。そして4月22日、142名が参加し、上原国立市長など4人のシンポジストによる「憲法改悪問題」「国民保護法の具体化の問題」「米軍基地再編」などの問題について職場・地域から運動を進めるための学習・討論を行いました。
 春闘期における、憲法を守る集会等の関係では、「守ろう憲法!ゆるすな教育基本法改悪を!1・21東京集会」(日比谷公会堂)や建国記念の日反対2・11集会、憲法改悪のための国民投票法案学習決起集会(2月2日)へ積極的に参加してきました。
 核兵器廃絶の行動としては、反核平和の世界の運動の交流や、各地の憲法9条と非核三原則を守る取り組みの交流、原爆被爆とビキニ被災の実相を学ぶなどの「3・1ビキニデー集会」へ東京自治労連から20名(東京代表団107名)が参加しました。

2)賃金引上げ、労働条件向上、民主的公務員制度確立をめざす取り組み
  1月6日、国民春闘共闘・東京春闘共闘主催の新春早朝宣伝が東京・池袋・渋谷、霞ヶ関周辺で実施され、東京自治労連も含め全体で320名、06春闘期の第1次全国統一行動(1月19日)には、丸の内昼デモ800名・経団連包囲行動1800名が結集しました。06春闘勝利総決起集会(東京春闘共闘1月26日)へは全体で800名の官民労働者が参加しました。三多摩春闘総決起集会(2月3日)や大企業の社会的責任を求めトヨタ愛知総行動へ参加してきました。
自治体の臨時・非常勤職員の賃金引上げ、公契約条例制定、アスベスト対策、憲法を守り、国民保護計画の押しつけ反対などについて都内46自治体との懇談を行う、東京春闘共闘第2回自治体キャラバンに参加してきました。
 06春闘要求書提出行動を市長会・町村会へ2月28日、東京都へは3月3日に実施しました。3・10、4・14の公務労組連絡会中央行動では人事院による「官民比較方法の見直し」は、総人件費削減の政府の圧力に屈するものとして総務省、人事院前での集会を行い人事院の不当性を追及しました。
 東京自治労連として3・16全国統一行動には、時間内外の職場集会を参加者総数4426名、4・14には時間外職場集会と中央行動参加を配置し、総数448名の参加がありました。06春闘要求の正当性を社会的にアピールし、政府・財界・都・市区町村に要求実現を迫る闘いと位置づけると共に「官民比較方法見直し問題」や「査定賃金問題」「自治体業務のアウトソーシング」に対する職場要求など東京自治労連の独自課題も含め、すべての職場で春闘要求の討議が促進されるよう春闘アンケートの取り組みを進め、24,455名の仲間から集約しました。都庁法人一般労組が組織対象者への門前宣伝の実施等アンケ−ト協力を呼びかけ、新たに163人を集約しました。
 1月中旬には、「東京の自治体の仲間」へアンケート速報結果抜粋、1月下旬の中央委員会には速報をまとめ、各単組・支部における春闘期の10割職場討議の資料として活用を提起しました。
 春闘激励、自治研集会参加要請、不況打開、地域経済活性化等の課題で民間単組への要請、激励行動を実施し、57単組・団体との懇談を行いました。また4・14民間単組ストライキ集会への激励など官民共同の春闘を追求してきました。

3)雇用・労働法制改悪を許さず生活と権利を守る取り組み
  春闘期の署名の取り組みとして「パート労働者の均等待遇を求める署名」、「男女雇用機会均等法等の抜本改正を求める要請署名」の取り組みを進めました。3月10日には06春闘青年・女性・パート中央行動に参加し、厚生労働省に対する介護ヘルパーの処遇改善についての要請行動も参加してきました。また、自治体が直接雇用する臨時・非常勤職員の均等待遇の実現、雇用の安定と生活保障、全国一律最低賃金制度の法制化への賛同などを求め、東京都産業労働局への東京春闘共闘、東京パートネットワーク要請行動に積極的に参加しました。

4)大増税・医療制度改悪を許さず国民生活を擁護する取り組み
  国民生活の最低限保障=ナショナルミニマムの実現をめざす研究・交流シンポジウム(1月21日)、「許すな!医療改悪・大増税!2・9国民集会」へ積極的に参加していきました。「サラリーマン大増税は許しません」署名は7120筆となっています。
 「介護療養病床の全廃、医療療養病床の大幅削減に反対し、療養・介護の環境およびサービスの整備・拡充を求める要請署名」「患者・国民負担増計画の中止と保険で安心してかかれる医療を求める請願」を取り組み、医療改悪に反対する国会議員要請や座り込み集会などに取り組んできました。

5)自治体リストラと闘い、元気な自治体をつくる取り組み
  05年11月29日東京都は、これまでの都政運営を自画自賛し、日常生活を営む都民の視点ではなく、大企業に奉仕する「地域の経営者」の視点から、さらに都政の市場化を進めることを表明した「行財政改革の新たな指針」発表しました。東京自治労連は、指針に対する見解と態度を明らかにし、「指針」を都民世論で包囲し、都民本位の都政確立のため08年都知事選挙も視野に入れて、全力を挙げて闘うことを呼びかけました。
 06年東京都予算分析、特別区、多摩・国立市の予算分析を各単組の協力も得て行いました。今後の学習の取り組みを進めることが求められています。
 「都民要求実現全都連絡会」が呼びかける都民アンケートの取り組みは、558が集約されており、全体では3500名の都民の声が集まっています。
 保育、学童、予防接種・健診等の都加算補助事業の包括化に対する取り組みとして都議会各会派、特別区や多摩26市への要請行動を実施してきました。
 3月には、指定管理者制度についての第5次方針、市場化テスト法案についての当面の取り組み方針を確立しました。
 革新自治体を建設する取り組みでは、東久留米市長選挙では、君島久康氏、町田市長選挙では三溝裕子氏、名護市長選挙では我喜屋むねひろ氏、京都府知事選挙では衣笠洋子氏、横浜市長選挙では松川康夫氏、多摩市長選挙では妹尾浩也氏を東京自治労連として推薦を行いました。福祉切り捨てなど自治体リストラに反対する市民団体と協働を広げて闘いましたが、勝利には至りませんでした。新自由主義による攻撃は多面的であり、闘いも多面的になっています。それらの闘いを国や地方政治革新に結びつける幅広い共同の追求など来春の闘いに生かすことが重要になっています。

6)組織の拡大・強化の取り組み
  2006年国民春闘要求実現をめざして実施した、「ストライキ批准投票」は、昨年を約1ポイント上回る78.35%の高率で批准し、闘う体制を確立しました。今年の批准投票では、9単組・7支部において、昨年実績を上回りました。この背景には、「小泉構造改革」による、公務員賃金削減・職員定数削減を始めとした、公務公共業務の民間開放などによる自治体リストラの激しさに対して、職場組合員の強い怒りが結集したことがあげられます。
 春の組織拡大月間方針を確立し、2月から月1回組織拡大推進委員会を開催し、新規採用者、未加入組合員、公務公共職場の臨時・非常勤職員の組織化について各単組の取り組み状況を共有化し、本部と単組の連携を深めています。都庁法人一般労組は、東京都医療公社の多摩南部地域病院の新人職員に加入を呼びかけ23名を組織化しています。
 3年目になる全労連組織拡大推進カンパの最終年度の取り組みは、2年間のカンパ目標を達成すると共に、最終年度の取り組みを強め、4月17日現在44%の到達状況となっています。
 教育学習・青年運動強化委員会は、青年部の確立や活動家育成の取り組みとして、第2回役員学校(4月〜10月5講座)を提起し、4月25日は「公務・公共性」を課題に学習を行いました。また、青年部活動、青年運動強化の取り組みを単組役員と懇談し、取り組み要請と状況を共有化するために単組訪問活動を始めました。
 引き続き、組合員の怒りと切実な職場要求と住民要求を結合させ、住民との共同の拡大で小泉「構造改革」、財界と真正面から対決していくことが求められています。そして、組織の拡大強化を図ると共に組合員の切実な要求実現に向けて奮闘することが重要です。


4.06春闘の結果と教訓
1)賃金闘争
  国民春闘共闘委員会は、4月中旬時点で前年同期を上回る回答を引き出し前進しています。国民春闘共闘委員会は、「生活改善につながる賃上げ」をめざし執念をもって諸要求実現に向けて粘り強く闘いを進めています。こうした結果は官民労働組合共同の闘いの成果です。
 今春闘は、大企業を中心とした業績の回復が続く中、国民・労働者の暮らしは賃金・雇用などに深刻な破壊が進行している状況で闘われています。政府・財界は「構造改革」の名の下に、労働者・国民に「格差」を設け、さらなる犠牲と攻撃を進めています。
 春闘から、賃上げと共に最低賃金引き上げや「給与制度改善」などを結合した、官民一体の闘いの重要性が増しています。同時に公契約条例や「同一労働同一賃金」、均等待遇を求める闘いが必要です。春闘期の民間労組訪問や自治体キャラバンの経験を生かし、「企業あっての労働者、利益あっての賃金」から「人間らしく働き続けられる、労働力の再生産にふさわしい労働条件の確立」に向けて労働者の共同と団結で大企業の横暴を規制することが求められています。
 引き続く、最低賃金の引き上げと公務員の賃金闘争(人事院勧告・人事委員会勧告)に向けても官民一体の闘争が重要です。

2)憲法・平和を守る闘い
  昨年、憲法を改悪しようとする動きが急速に強まり、今年に至っては、教育基本法の改悪案が国会に上程され、「国民投票法」にもその動きが出ています。こうした危機感から、「憲法を守れ」、「核兵器廃絶を」と行動が日に日に増しています。
 反核平和を求める2006年3・1ビキニデー集会の取り組みには、多くの青年層も参加しています。学習と行動を継続的に取り組むことが重要です。
 平和・憲法を守る取り組みは、「九条の会」が各界、各層で結成されていることや官民労組や団体や住民との共同に見られるように、幅広い国民をさらに結集することのできるものです。
 日の丸・君が代押しつけに反対する都教職員への処分に見られる様に、思想、信条、内心の自由や正当な政治活動に対する重大な侵害が、私たちの身近なところで引き起こされています。国政・都政の反動化が引き起こす不当な支配、攻撃の本質を明らかにして住民とともに教育基本法の改悪案の廃案など民主主義を守る闘いを引き続き強めていく必要があります。

3)大増税、社会保障・雇用・労働法制改悪を許さない闘い
  政府は、定率減税の全廃を決定し、日経連の提言などを叩き台に、07年度の消費税増税をめざしています。春闘10割職場懇談会等の機会を捉えての学習を提起し、パネル・リーフ等の活用を計りました。引き続き情勢学習・宣伝に取り組んでいきます。さらに、「サラリーマン大増税は許しません」署名を組合員一人5筆で提起し、引き続き取り組みを強める必要があります。
 通常国会で審議されている医療関連法案の改悪に対しては、国会要請行動や東京社保協の提起する座り込み行動等に参加するとともに、「保険で安心してかかれる医療を」の署名を引き続き取り組みます。
 4月より、実施された「介護保険法改悪」や「障害者自立支援法」に対しては、東京都での自己負担の減額や各自治体での減免措置等を求めて取り組みました。引き続き減免や制度改善を求めて取り組みを強めます。

4)自治体リストラ反対、民主的自治体づくりの取り組み
  「新地方行革指針」に基づく「集中改革プラン」が各自治体で策定され、自治体の役割が、「住民生活の擁護」から「公共空間の戦略本部」へと変質させられています。政府の三位一体改革に基づく地方交付税の削減、164国会に上程された「行政改革推進法」や「市場化テスト法」、東京都の「行財政改革の新たな指針」など、「官から民へ」の流れを加速しようと様々なツールが用意されています。これらは、職員の働きがいを奪い、公務・公共性を否定する動きとなっています。自治体リストラに反対し、職場の労働条件を確保・改善する取り組みを職場から強化する必要があります。同時に、自治体のあり方や将来のあるべき姿、公務と公共性のあり方など、住民に情報を提供し、地域住民との懇談や共同を広げ、住民要求も含めた政策化が自治体労働組合に求められています。住民との意見交換などを積み重ね、自治体政策を形成する力をつくり、民主的自治体建設を展望した政策を持つことが急務です。第6回東京自治研究集会をその一助として大きく成功させるために、奮闘します。
 来春の都知事選をはじめとする統一地方選挙にむけて、東京自治労連は、方針を提起し討議を呼びかけています。引き続き方針の確立とともに、具体的な取り組みを進めます。

5)組織の拡大・強化
  スト批准投票結果は、高率の批准を維持し前進しています。春闘要求アンケートの結果は10割職場討議の資料として活用されました。全労連基金カンパは、最終年度の取り組みに入り、より一層の前進をめざして引き続き取り組まれています。組織課題での取り組みを引き続き強化していくことが求められています。
 各単組と協力し、公共一般や東京介護労は、切実な要求闘争を通じて組織拡大をすすめています。日常的な労働相談や仕事を通じて、労働組合への結集を高めています。公立保育園の民営化反対の取り組みを通じて、該当園の非常勤保育士を正規雇用として確保し、パート労働者の雇用を継続させるなど、公共一般への加入を進め、リストラ反対闘争と結合させた取り組みの先進例も出ています。また、4月からの介護保険制度改悪よる介護労働者の労働条件引下げが進んでいる中で、ヘルパーをはじめとした組織化が始まっています。
 各単組では、職場からの取り組みや平和運動など様々な活動を通じて、青年層への働きかけや組織化など組織強化と拡大を進めています。春闘の闘いを通じて、組織の拡大・強化と要求実現を追求していきます。

おわりに
  06国民春闘は、アメリカと財界の意向どおりに進められる小泉構造改革との闘いとなっています。これからの日本の形を決める激動の中での06春闘となりました。
 賃金引き上げでは、国民春闘共闘会議に結集する仲間の奮闘で、連合の成果を上回る成果も上げています。
 「構造改革」「官から民へ」「小さな政府」論を許さない闘いは、平和・憲法守れ、米軍基地の撤去の闘いと結合し、共同の輪をより一層広げました。
 06春闘で築いた職場からの闘いと地域住民との共同をさらに発展させ、国民・労働者にとって切実な要求を前進させ、国民が真に主人公となる社会へ変革していく展望を切り開きまししょう。
 予算・人員要求闘争、人事院・人事委員会勧告から秋の賃金闘争へ、そして来春の統一地方選挙へと続くこれからの闘いで、自治体の変質を許さず、働く者にとって働きがいのある自治体建設と地域住民の福祉・生活向上をともに実現することをめざして、職場の労働条件改善と、住民の要求実現を結合させた闘いをおおいに展開していきましょう。