当面する労働法制改悪反対、働くルール確立をめざす取組みについて
2007年1月24日
東京自治労連中央執行委員会
 財界とその意向を全面的に実行しようとする政府は、「労働ビッグバン」を掲げ、働くルールの徹底破壊を策動しています。
 これに対し、わたしたちは、貧困をなくし格差の是正を求めて、安定した雇用とはたらくルールの確立を要求に掲げ、全労連・自治労連に結集して労働法制改悪反対闘争を進めてきています。
 こうした運動と圧倒的な労働者・国民の反対世論の中で、政府は1月16日にホワイトカラー・エグゼンプション制度創設について通常国会提出見送りを表明せざるを得ない状況を作っています。
 しかし、労働者保護法制破壊を狙う政府・財界の動きは止まっておらず、全面的な勝利をめざして、「働くルールの確立を求める100万署名」をはじめとした取組みを積極的に展開することとします。

1 労働者保護法制の破壊を狙う財界
 日本経団連が昨年12月に発表した「経営労働政策委員会報告」並びに本年1月の「御手洗ビジョン」では、規制改革・構造改革路線の矛盾としての格差問題に対して開き直りの主張を展開し、国際競争力強化と大企業の利益確保のために、雇用責任放棄とあくなき賃金抑制方針、そして労働法制改悪を強く打ち出しています。
 「労働ビッグバン」を掲げる経済財政諮問会議は、9人の学識経験者による「労働市場改革専門調査会」を設け、昨年暮れから議論をスタートさせていますが、同専門調査会の会長を務める八代尚宏・国際基督教大教授は、内閣府主催のシンポジウムで「大企業の正社員は、弱い非正社員をダシにしながら自らの労働条件を守ってきた。労働ビッグバンではこれを是正する。」と語り、正社員の既得権を改悪し、より低位平準化をめざすという到底容認できない論理を展開しています。
 まさに財界が政府と一体となって労働者保護法制の徹底した破壊を狙っており、これを放置したならば格差と貧困の拡大はもとより労働者の生存権そのものが脅かされる事態といえます。

2 ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入法案国会提出見送り
 ホワイトカラー・エグゼンプション制度(労働時間規制の適用除外制度)については、「ただ働き残業」を合法化し、長時間過密労働を深刻化させると共に、過労死の企業責任を問われぬための法改正として、提案撤回へ向けて全労連・自治労連・東京春闘共闘会議の諸行動に積極的に参加し、取組を進めてきました。
 また、世論を背景とした「残業代ゼロ制度」としての報道も展開され、国民的な反対世論が形成されてきました。
 この結果、1月16日の記者会見において安倍首相はホワイトカラー・エグゼンプション制度を創設する労働基準法「改正」法案の通常国会への提出見送りを表明する事態となっています。

3 「緒戦の成果」を確信に全面撤回を勝ち取ろう
 わたしたちの運動と圧倒的な労働者・国民の反対世論の前に政府が法案提出見送りを言明したことは大きな到達点です。
 しかし、当面の選挙においてマイナスとなる要素を先延ばしにした性格も強く、政府・与党は参議院選挙後の臨時国会への提出を念頭においています。
 特に、財界は、労働者保護法制破壊に固執するばかりか、違法行為を積み重ねながら、法そのものの改悪を要求し、経済財政諮問会議において労働者派遣法改悪(直接雇用義務廃止等)や労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準の改悪さえも検討する事態に至っています。
 したがって、労働者保護法制破壊の策動を全面的に撤回させていくことが必要です。

4 通常国会にむけた課題
 ホワイトカラー・エグゼンプションについては通常国会見送りが明らかにされていますが、通常国会へむけて、引き続き以下の労働法制に関わる課題があります。
(1) 労働条件不利益変更を容易にする労働契約法制創設問題
 「労働契約法」の新設問題では、使用者が容易かつ確実に、労働条件を引き下げるための就業規則変更による労働条件の引き下げ制度導入が狙われています。
(2) 実効あるパート労働法改正をめざして
 均等待遇と正規雇用化促進へ向けて実効あるパート労働法の改正が強く求められていますが、政府の改正案は、「通常の労働者と職務、職業生活を通じた人事活用の仕組み、運用等及び雇用契約期間等の就業の実態が同じであるパート労働者について差別的取扱いをすることを禁止する」という内容であり、該当者はわずか1%に過ぎません。
(3) 最低賃金引き上げの課題
 最低賃金法の一部改正では、ワーキングプア問題を背景に、地域別最低賃金の決定基準の見直しで「生活保護との整合性を考慮する必要」が明記されました。引き続き、全国一律的な水準引き上げが求められます。
(4)抑制策の無い長時間労働対策
 労働時間法制については、「長時間労働の抑制が課題」としながら、労働時間の上限規制強化もなく、割増賃金引上げも明記せず、労働時間規制の適用除外の対象拡大、企画業務型裁量労働の要件緩和などで労働時間規制を大幅に緩和しようとしており、実効ある長時間労働対策を強く求めるものです。

5 闘いの方向
 偽装請負や不払い残業等の違法行為までして目先の利益のみを追求する財界のもとで、格差と貧困が拡大し、過労死・過労自殺が頻発する事態となっています。
 このような状況を解消していくために、労働者保護法制破壊の策動を許さず、現在の不備な労働法制を改善していく闘いとして、「働くルールを求める100万請願署名」を軸とした職場・地域からの取組みを進めていきましょう。

6 具体的な取組み
(1)「働くルールを求める100万請願署名」の取組み
 「長時間労働抑制、解雇法令整備、派遣労働の適切な規制による雇用者責任の強化」「最低賃金法の抜本改正、均等待遇の実現、有期雇用の制限」を請願事項とした「労働法制の拡充を求める請願署名」は、全労連として文字通り100万筆(自治労連20万筆)をめざして取り組まれています。以下の内容で全力で取組みを進めていきます。
@ 署名対象:各単祖・支部において、関連労働者を含めた職場全労働者を対象とします。
A 目標:組合員数を目標として全力で取り組みます。
B 時期:1月31日に各単祖・支部に署名用紙を送付し、第一次集約2月15日、第2次集約3月12日、第3次集約を4月11日とし、第2次集約時点での7割到達を目途に進めます。
C 署名用紙はリーフ付となっていますが、各単祖における独自の教宣活動も積極的に展開して署名集約の拡大をめざします。

(2)諸集会の成功へ向けた取組み
 以下の諸行動に積極的に取組みます。
@ 1月29日からスタートする東京春闘共闘会議の「自治体キャラバン・パート3」については、当該単組の参加と共に、各単組において事前の庁内世論形成などを取組み、大きく成功させていきます。
A 「偽装請負・サービス残業など無法を一掃し、雇用と地域経済を守る全国交流集会」(2月17日、日本教育会館)に労働法制闘争の節目として重視して取組ます。
B 全労連・国民春闘共闘で計画している「3・6安心できる雇用と賃金を!中央行動(仮称)」を積極的に取組みます。
以  上