2007年度労働安全衛生活動取り組み方針
2007年4月11日
東京自治労連中央執行委員会
 東京自治労連は、この間労働安全衛生活動を、労働組合活動の重要な環として、活動の強化を提起し、毎年労働安全衛生活動交流集会を開催し、各単組・支部の活動交流と学習活動を進めてきました。
 自治体構造改革の中、業務のアウトソーシングと人員削減は、職場にさまざまな変化をもたらしています。職場の実態から、当局の使用者責任を明らかにし、職場の改善と私たちの働き方を考え、必要な改善を勝ち取ることも、自治体構造改革への対抗軸となり得ます。
 また、今国会には、「労働基準法の一部改正」「労働契約法」「最低賃金法の一部改正」「パート法」など「労働法制」に関連する法律案が上程され、就業規則の変更による労働条件の切り下げ問題など改悪が狙われています。また政府は、今国会への上程が見送られたホワイトカラーエグゼンプションの導入について経団連から強く求められている状況です。
 東京自治労連は、これまでの活動交流と学習活動の到達点にたち、労働安全衛生活動の強化をはかるため07年度方針を提起します。

1.労働者の健康と職場の労働環境をめぐる実態
 1)職場と労働者の実態は、
  07年春闘アンケートでは、普段の疲労感に対する質問に98%が「何らかの疲れを感じている」と回答し、疲れの度合いも増しています。また、健康に働く上での改善点として、「人員の補充」と「業務量の削減」があげられています。特に業務量の削減は、職場の環境改善を抜いて2位と、切実な要求となっています。
  この間職場では、業務の民間委託や少数精鋭の行政組織の名のもと、退職不補充や人員削減が進んでいます。東京都では、05年からの3年間で5651人の人員削減が行われ、過密労働と長時間労働が蔓延しています。区・市の職場でも同様な人員削減がすすめられています。
  一方、職場では、人員削減による恒常的な時間外労働による疲労の蓄積、能力・成果主義賃金制度の導入による人間関係の破壊、民営化・民間委託に伴う仕事に対する意欲の低下など、健康破壊を深刻化させる要因も山積しています。

 2)過重労働対策の変化
  06年4月の労働安全衛生法や関係する労働安全衛生規則等が「改正」施行されました。特に過重労働対策は、安全衛生委員会の審議事項として具体的な対策の審議と、長時間労働にわたる労働者への産業医の面接・指導が盛り込まれる一方、先の「過重労働による健康被害防止のための総合対策」では、残業45時間以上で医者の助言・指導、80時間以上で医師の助言や面接指導としていた産業医の指導・助言が、100時間以上で労働者本人が申出たものとされるなど、防止対策を後退させるものとなっています。この指針の後退による面接指導等の基準の改悪が進んできています。

 3)病欠の長期化とメンタルヘルス
  東京都知事部局では、「病気休暇30日以上」でその理由を「精神疾患」としている人は、2001年217人から05年の314人となり、長期病欠の理由として「精神疾患」が急増し、メンタルヘルス対策が重要になっています。一旦病欠になると長期化する傾向が顕著になっています。また、一度職場復帰しても病状が再び悪化しまた病欠を取る、同じ職場から病欠者が続くなど、業務量の増大と人員削減の中、職場復帰が困難になり、病欠の長期化に拍車がかかっています。

 4)公務職場における労働安全衛生管理の実効性の低下
  民営化・民間委託が進められ、今公務の職場で働く民間労働者が急増しています。また、職場には、非常勤や臨時、パート、派遣などの労働者が増えています。
  民営化・民間委託された職場では、そこで働く労働者の労働安全衛生も業者任せになる一方、施設管理責任は当局にあり、職場環境の改善が困難になっています。このような職場や、職場に増えている非常勤・臨時・パート、派遣などの労働者を含めた全労働者を対象とする活動は、不十分であり、事実上公務職場で労働安全衛生管理の実効性が低下しています。

2.07年度の重点項目
 1)業務量に相応しい職員配置の実現
 2)実効ある過重労働対策と残業の縮減
 3)実効あるメンタルヘルス対策と病欠者の復職支援対策
 4)民営化・民間委託と職場環境改善をすすめる労働安全衛生活動の調査と改善

3.具体的な課題と取り組み
 1)日常的な労働安全衛生活動の強化
  労働安全衛生法の「改正」により、「安全衛生委員会」と「総括管理者」の役割が重要になっています。「安全衛生委員会」は、過重労働対策やメンタルヘルス対策が審議事項となり、その計画と実行、評価の改善を審議することが求められています。
  これらを実践する意味でも、安全衛生委員会を月1回は開催し、具体的な職場の安全と健康についての計画を作成、実施、評価および改善する取り組みが重要です。
  日常的な労働安全衛生活動を職場から強化する必要性や、都区での時間内組合活動の見直しも踏まえ、労働安全衛生活動や安全衛生委員会への取り組みの活性化が必要です。特に誰もが参加出来る職場点検活動などを重視して取り組みます。

 2)労働組合としての要求確立と政策化
  長期病欠・メンタルヘルス・過重労働対策や、民営化・民間委託された職場での労働安全衛生活動など、必要な調査や学習・検討を行い、政策化を図り、08年予算人員要求闘争に反映します。

 3)健康アンケートの実施
  5年毎に実施している健康アンケートを東京社会医学研究センターの協力を得て実施します。「自治体構造改革」が進む中、公務の職場で働く労働者の健康実態と要求を明らかにします。特に、メンタルヘルス対策について実態をきめ細かく把握し、今後の要求づくりに反映させます。
  また、公務で働く関連労働者を含む労働者の調査となるよう配慮し、別途実施要綱を策定し、9月〜10月に行います。

 4)第6回労働安全衛生活動交流集会の開催
  各単組の活動の交流と、今年度の重点項目の実現に向けた意思統一の場とし、別途実施要綱を定め、下記の日程で行います。
   日時 9月29日(土) 10:00〜16:30
   場所 板橋・グリーンホール
職場における次世代育成支援策の前進へ向けて
2007年4月18日
東京自治労連中央執行委員会
1 07年度は特定事業主行動計画改定期
 東京自治労連2007年国民春闘方針では、「労働法制の改悪を許さず、働くルールの確立、労働者の雇用と健康を守る闘い」として、「職場の男女労働者が安心して働き続けられるルールを確立するため、男女雇用機会均等法の積極部分の活用を推進し、次世代育成支援策を改善させていきます。」としており、各単組の粘り強い取組によって、2007年度予算要求闘争から春闘期にかけて休暇制度改善等の職場における次世代育成支援策の具体的な前進が見られました。
 2003年7月に成立した「次世代育成支援対策推進法」(以下、次世代推進法という)に基づいて、次代を担う子どもがすこやかに生まれ、育成される環境の整備を図るための事業主としての次世代育成支援対策を「特定事業主行動計画」として2004年度策定がされています。
 この特定事業主行動計画は、2005年度から2014年度の10年間のうち、概ね5年間を1期とし、概ね3年ごとに見直すことが望ましいとされています。
 このため、2007年度が計画改定期となり、職場における次世代育成支援策の具体的な前進へ向けた節目の年を迎えることとなります。
 春闘期における前進を東京自治労連全単組のものとして、さらに次世代育成支援策の前進を図るために、特定事業主行動計画の実効ある改定をめざしていくものです。

2 極めて不十分な都内自治体における特定事業主行動計画内容
 都内各自治体における特定事業主行動計画は、急速な少子化の進行などを踏まえ、次代を担う子どもがすこやかに生まれ、育成される環境の整備を図ることを目的とした次世代推進法の趣旨を踏まえ、「職員の仕事と子育ての両立を支援することを基本とする。」(東京都特定事業主行動計画)、「一般企業の模範として、率先して積極的な取組を推進していく必要がある。」(目黒区特定事業主行動計画)など、積極的な目的を掲げながらも、その具体的な内容は、法の趣旨からみても極めて不十分な内容となっています。
 国において実施された休暇制度の新設・改善も盛り込まれず、人員・予算増も無く、既存の制度の周知・取得促進の掛け声に終始し、事業主としての責任を回避し、職場における創意・工夫と自己責任に具体化を求めるものとなっています。
(1) 国の制度改善に及ばぬ内容
 次世代推進法の趣旨を踏まえ、民間事業所に対する普及促進の視点も位置付けて、国家公務員を対象として@男性職員の育児参加のための休暇新設、A配偶者出産支援休暇の時間単位取得可、B子の看護休暇の時間単位取得可、などの休暇制度の新設・改善が行われています。
 しかし、都内の多くの自治体においてはこれらの実現に到達しておらず、国家公務員の水準にさえ及ばぬ実態となっています。
(2) 策定済み計画の水準に達していない現状
 策定された特定事業主行動計画に基づく運用状況についても極めて不十分な実態が明らかとなっています。
 特に、自治体によっては、特定事業主行動計画に明記された計画実施状況点検のための「実施委員会」さえも現時点で未設置という事態に至っており、法の義務付けを受けて、計画文書のみ作成したのみという現状といえます。
(3) むしろ悪化する職場実態
 むしろ、この間、業務増と定数抑制・削減をうけて、職場実態は大きく悪化してきており、仕事と子育ての両立はより困難な実態に至っています。
 年休取得率拡大や超過勤務縮減は、すべての自治体が行動計画の中に位置付け、具体的な数値目標を設定している自治体も多く見受けられます。
 しかし、総務省が公表した「平成17年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」を見ても、年次有給休暇平均取得日数はわずか11日にとどまり、総務省は「ほぼ横ばい」としています。
 今春闘におけるアンケート調査中間集約結果では、平均残業時間が年々増加しており、依然として過労死認定基準に達する超過勤務の実態が各自治体安全衛生委員会報告を通じて明らかとなっています。
 育児休業の利用状況についても、男性取得率は前年比でわずか0.1ポイント増の0.6%という低水準です。
 特に、育児休業問題をめぐっては、実効ある代替職員制度の確立が不十分であり、むしろ、定数削減攻撃の中で、保育所等の職場における常勤代替制度が人材派遣や任期付採用に改悪されている状況となっています。
 基本的には、育休や年休取得率拡大や超過勤務縮減を掲げても、これらを物理的に保障するための十分な育児休業代替要員制度など定数・予算増が欠かせないことは明白であり、定数削減を推し進める以上、目的は達成できません。
(4) 非正規職員にも均等待遇を
 定数削減の代替として、臨時・非常勤職員や委託労働者が飛躍的に増大しており、現在の行政運営において、これら非正規職員の存在は欠くことのできないものとなっています。
 しかし、各自治体の特定事業主行動計画は、一部の自治体において「今後の検討課題」であることを明記しているものもありますが、全体として常勤職員のみを対象としたものとなっています。
 特に、臨時・非常勤職員は自治体直接雇用労働者であり、雇用主の責任として対応すべきものであり、計画対象からの除外は問題です。
(5) 2007年度予算闘争から春闘期における単組の要求前進
 2007年度予算要求実現へ向けた闘いから今春闘において、少なくない単組において次世代育成支援対策の具体的な前進を勝ち取っています。
 豊島区職労では、@子の看護のための休暇の時間単位取得、A出産支援休暇日数の増(2日⇒5日)、B出退勤時職免改善(小学校1年生以下⇒小学校3年生以下)、墨田区職労では、@妊娠初期休暇拡充、A育児参加休暇新設、B出産支援休暇の時間単位取得可、板橋区職労では、子どもの看護休暇対象範囲を小学校3年生まで拡大しています。
 当該単組の粘り強い闘いの中で実現した成果を、東京自治労連全単組における要求前進へつなげていくことが求められています。

3 対応方向:諸要求前進へ向けて実効ある計画改定を求めます
 行動計画策定指針を受けて、計画期間については、多くの自治体が「2005年度からの5年間。概ね3年を目途に見直す。」としており、2007年度は計画見直しの年度にあたります。
 見直し改定年度を計画に明記していない自治体においても、法の趣旨や現行計画の実施状況・国の制度との整合性などを踏まえて、見直しを求めていくことが必要です。
 各単組において行動計画内容の検証を行い、2004年11月に自治労連の発表している「モデル要求」(「次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画等に対する自治労連の取組について」)も踏まえて、改定要求を作成し、その実現に向けた取組を進めます。

4 具体的な取組について
(1) 実態調査の実施
 東京自治労連女性部の協力を受けて、構成各単組における現行特定事業主行動計画の内容ならびに、計画策定以降の改善状況を把握します。
 そして、推進体制、実施状況点検、環境整備、休暇制度改善、臨時・非常勤職員のとり扱いなどの各項目について、最高到達点を把握します。
(2) 重点要求課題の作成
 実態調査結果と自治労連モデル要求案、国家公務員において制度改善されている休暇制度などを踏まえて、6月を目途として、重点要求課題を作成、提起します。
(3) 各単組における現行特定事業主行動計画実施状況に関わる検証の取組
 計画実施状況の点検については、使用者側委員のみで構成される委員会における点検実施という方法が一般的となっています。
 このため、各単組が自主的に計画実施状況の点検を進めていくことが重要であり、各単組における検証作業を進めていきます。
(4) 要求の確立
 各単組は、重点要求課題と検証作業結果を踏まえて、特定事業主行動計画の実効ある改定に向けた要求を策定し、計画改定と次世代育成支援対策の具体的前進へ向けて取組を進めます。
以上
東京都後期高齢者医療広域連合の事業運営に
関わる要求課題と対応方向について
2007年4月18日
東京自治労連中央執行委員会
 後期高齢者医療制度問題については、本年1月30日付で「東京都後期高齢者医療広域連合問題への対応について」を決定し、検討・対応すべき課題として、派遣職員の労働諸条件に関わる問題と後期高齢者医療の事業水準に関わる問題への対応を位置付け、これに基づいて、この間、派遣職員の労働条件問題での対応を進めてきたところです。
 今後は、後期高齢者医療の事業水準に関わる問題への対応を具体的に進めていくために、以下に、東京都後期高齢者医療広域連合の運営並びに事業水準問題に関わる要求課題と対応方向を示すものです。
 なお、後期高齢者医療制度については、制度そのものに極めて多くの問題を有しており、別途、制度に関わる問題点と対政府要求を整理することとします。

T 広域連合運営に関わる課題

 1 後期高齢者医療広域連合議員の選挙
  東京都後期高齢者医療広域連合は、本年3月1日に正式に発足し、今後、6月に各区市町村議会において広域連合議員選挙が実施される予定です。
  「広域連合」は1994年の地方自治法改正によって、広域的処理が望ましい分野における事務の共同処理方式として導入されたもので、特別地方公共団体です。
  「広域連合」については、住民の参加権が法定化されているという特色を有しており、地方自治法291条の5第1項で直接選挙、同第2項で間接選挙を規定し、いわゆる「充て職」を認めていません。
  しかし、東京都後期高齢者医療広域連合は、こうした地方自治法の趣旨を踏まえぬ不十分な選挙制度となっています。

 2 民意の反映されない少ない議員定数
  議員定数は、都内62自治体で構成されているにもかかわらず、31名とされ、区17名・市12名・町村2名と配分されています。
  62自治体に在住する後期高齢者の医療に関わる事業を共同処理する事業趣旨を踏まえれば、全自治体の意見・要望の反映が必要であり、最低限、62名の定数とすべきです。
  政令指定都市を有する道府県の状況を見ても、宮城・千葉・兵庫県などの議員定数は構成自治体数と同数であり、京都府・広島県は構成自治体数を上回っています。
  特に、構成自治体の半数の定数設定に加え、人口規模を根拠として、区市町村配分を設定しているため、23区で17名定数に対して、13町村で2名定数との格差が生じています。
  これでは、町村の場合、12年後に初めて議員を選出する自治体が生じるなど、不利な実態が生じます。
  東京における検討の中でも、市町村側からは62名案を推す意見が強かったと報道されていますが、議員定数については事業趣旨を踏まえて再検討すべきです。

 3 特定党派独占の懸念される選挙方法
  地方自治法では、広域連合への住民参加権を法定化し、直接選挙も示していますが、東京都後期高齢者医療広域連合設立規約第8条では、間接選挙として、具体的には、各区市町村議会の推薦のあった人を候補者として、区・市・町村の各圏域ごとに、各圏域の全議会での得票総数の多い順番に当選が決まる仕組みとされています。
  しかし、各区市町村議会の推薦がなければ候補者となることができないため、議会与党など特定党派の独占も懸念されます。
  これでは、事実上の「充て職」化することも想定され、地方自治法の趣旨を踏まえていないと言えます。

 4 住民意見の反映へ向けて
  後期高齢者医療広域連合は、保険料決定、健康診査、医療給付などの保険者事務を担うこととなりますが、保険料決定方法やその水準などは後期高齢者の生活に直結する問題となります。
  したがって、被保険者である後期高齢者をはじめとした住民意見が反映する仕組みの確立など、組織運営に関わっても、住民参加の観点での対応が必要となります。
  基本的には、議員定数の拡充、被選挙権を議員としたうえで立候補の自由を保障し、都内区市町村議会議員全員による選挙実施とするなど、都内議会に占める割合が反映可能な選挙方法とすべきであり、規約改正を求めると共に、当面の措置を含めて、住民意見の反映へ向けた以下の事項を要求案として示すものです。
  (1) 住民が議案成立過程で意見表明し、議案に反映される制度として、被保険者代表を構成員とする審議会や公聴会などの権限ある機関の設置。
  (2) 十分な期間を置いたパブリックコメント等の住民意見反映制度の確立。
  (3) 議員の非選出自治体議会からの事前意見表明の制度化。
  (4) 基本的には、選出された議員が個人としてではなく、民意の反映を担う観点から、事前に各区市町村議会において議案討議を行い、議会としての意思決定を経て、広域連合議会に参加するなどの対応。
  (5) 「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」の適用を受けることから、情報公開条例を制定させることは当然として、住民に対して積極的な情報提供を行う仕組み・ルール作成が求められます。

U 事業水準に関わる課題
  後期高齢者広域連合の行う事業水準に関わっては、以下の問題点が指摘され、その改善へ向けて必要な対応が求められます。

 1 求められる保険料水準の抑制
  後期高齢者医療制度における費用負担については公費5割(国12分の4、都12分の1、区市町村12分の1)・4割が現役世代からの拠出金・1割が後期高齢者の保険料とされており、厚生労働省の試算では、制度発足時の一人当たり保険料は約61000円、2015年には85000円に増額されます。
  この保険料水準は、多くが年金収入のみとなっている高齢者にとっては、大きな負担であり、特に、現在は保険料負担の無い被用者保険加入者の家族は、新たに保険料負担を余儀なくされます。
  また、年金額が年間18万円(月額15000円)以上の場合は、年金から保険料が天引き(特別徴収) されることとなります。
  これでは、後期高齢者の生存権保障を脅かす恐れがあり、保険料水準を抑制していくことが強く求められます。
  国民健康保険等では、保険料水準を抑制するために、保険者である自治体からの一般財源繰り入れ措置が行われていますが、広域連合には保険料水準抑制のための一般財源繰り入れの手法がありません。
  このため、法定負担以外の繰り出し金を構成区市町村から行う必要があります。

 2 応益負担割合設定は高齢者の所得水準を踏まえた対応を
  保険料について、厚生労働省は、「応能負担」と「応益負担」の割合について、「5:5」とする考え方で個人単位に賦課することを示しています。
  高齢者は所得水準格差が大きく、特に基礎年金収入のみの高齢者が多いなかで、応益負担5割は極めて重い負担となります。
  高齢者の所得水準の格差を踏まえて、応益割の割合については低くすべきです。

 3 住民実態を踏まえた制度設計を
  後期高齢者医療制度においては、資格証明書・短期被保険者証発行、差押処分、保険料減免処分、世帯合算による高額医療費の給付決定処分、一部負担金減免処分などの権限は広域連合が有し、区市町村は窓口機能のみとなります。
  このため、事務処理の判断基準について明確化を図ると共に、その内容を検証し、必要な改善を行う仕組みを確立することが必要です。また、具体的な窓口業務を担う区市町村において一定の判断を可能とすることも求められます。

 4 健康診断事業問題
  2008年度から保険者に対して「特定健診・特定保健事業の実施義務」が課され、これに伴って、老人保健法に基づいて区市町村で実施している住民基本健診の廃止・縮小の方向が示されています。
  しかし、住民の健康保持は公衆衛生の柱であり、自治体の基本的責務であることを踏まえた対応こそ強く求められます。
  この視点から、広域連合における対応などに対する要求方向の検討が必要です。

V 対応の方向について
  (1) 東京社会保障推進協議会において設置された「後期高齢者医療制度問題対策会議」に主体的に参加し、東京都後期高齢者医療広域連合の運営並びに事業水準問題に関わる要求実現へ向けて奮闘します。
  (2) 東京社会保障推進協議会後期高齢者医療制度問題対策会議の提起に基づく具体的な取り組みに積極的に参加します。
  (3) 後期高齢者医療制度問題について、制度概要・基本的な問題点・東京都後期高齢者医療広域連合に対する要求などについて、学習会を開催します。
  (4) 各単組が対応する自治体に対する対応を重視して取組を行います。
  (5) 保険者の「特定健診・特定保健事業の実施義務」問題、及び住民基本健診問題などについて、関係職域部会などと協議を行い、対策会議を開催し、要求と対応方向を検討します。
以  上