職場における次世代育成支援策の前進へ向けて
2007年4月18日
東京自治労連中央執行委員会
1 07年度は特定事業主行動計画改定期
 東京自治労連2007年国民春闘方針では、「労働法制の改悪を許さず、働くルールの確立、労働者の雇用と健康を守る闘い」として、「職場の男女労働者が安心して働き続けられるルールを確立するため、男女雇用機会均等法の積極部分の活用を推進し、次世代育成支援策を改善させていきます。」としており、各単組の粘り強い取組によって、2007年度予算要求闘争から春闘期にかけて休暇制度改善等の職場における次世代育成支援策の具体的な前進が見られました。
 2003年7月に成立した「次世代育成支援対策推進法」(以下、次世代推進法という)に基づいて、次代を担う子どもがすこやかに生まれ、育成される環境の整備を図るための事業主としての次世代育成支援対策を「特定事業主行動計画」として2004年度策定がされています。
 この特定事業主行動計画は、2005年度から2014年度の10年間のうち、概ね5年間を1期とし、概ね3年ごとに見直すことが望ましいとされています。
 このため、2007年度が計画改定期となり、職場における次世代育成支援策の具体的な前進へ向けた節目の年を迎えることとなります。
 春闘期における前進を東京自治労連全単組のものとして、さらに次世代育成支援策の前進を図るために、特定事業主行動計画の実効ある改定をめざしていくものです。
 
2 極めて不十分な都内自治体における特定事業主行動計画内容
 都内各自治体における特定事業主行動計画は、急速な少子化の進行などを踏まえ、次代を担う子どもがすこやかに生まれ、育成される環境の整備を図ることを目的とした次世代推進法の趣旨を踏まえ、「職員の仕事と子育ての両立を支援することを基本とする。」(東京都特定事業主行動計画)、「一般企業の模範として、率先して積極的な取組を推進していく必要がある。」(目黒区特定事業主行動計画)など、積極的な目的を掲げながらも、その具体的な内容は、法の趣旨からみても極めて不十分な内容となっています。
 国において実施された休暇制度の新設・改善も盛り込まれず、人員・予算増も無く、既存の制度の周知・取得促進の掛け声に終始し、事業主としての責任を回避し、職場における創意・工夫と自己責任に具体化を求めるものとなっています。
 
(1)国の制度改善に及ばぬ内容
 次世代推進法の趣旨を踏まえ、民間事業所に対する普及促進の視点も位置付けて、国家公務員を対象として@男性職員の育児参加のための休暇新設、A配偶者出産支援休暇の時間単位取得可、B子の看護休暇の時間単位取得可、などの休暇制度の新設・改善が行われています。
 しかし、都内の多くの自治体においてはこれらの実現に到達しておらず、国家公務員の水準にさえ及ばぬ実態となっています。
 
(2)策定済み計画の水準に達していない現状
策定された特定事業主行動計画に基づく運用状況についても極めて不十分な実態が明らかとなっています。
 特に、自治体によっては、特定事業主行動計画に明記された計画実施状況点検のための「実施委員会」さえも現時点で未設置という事態に至っており、法の義務付けを受けて、計画文書のみ作成したのみという現状といえます。
 
(3)むしろ悪化する職場実態
 むしろ、この間、業務増と定数抑制・削減をうけて、職場実態は大きく悪化してきており、仕事と子育ての両立はより困難な実態に至っています。
 年休取得率拡大や超過勤務縮減は、すべての自治体が行動計画の中に位置付け、具体的な数値目標を設定している自治体も多く見受けられます。
 しかし、総務省が公表した「平成17年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」を見ても、年次有給休暇平均取得日数はわずか11日にとどまり、総務省は「ほぼ横ばい」としています。
 今春闘におけるアンケート調査中間集約結果では、平均残業時間が年々増加しており、依然として過労死認定基準に達する超過勤務の実態が各自治体安全衛生委員会報告を通じて明らかとなっています。
 育児休業の利用状況についても、男性取得率は前年比でわずか0.1ポイント増の0.6%という低水準です。
 特に、育児休業問題をめぐっては、実効ある代替職員制度の確立が不十分であり、むしろ、定数削減攻撃の中で、保育所等の職場における常勤代替制度が人材派遣や任期付採用に改悪されている状況となっています。
 基本的には、育休や年休取得率拡大や超過勤務縮減を掲げても、これらを物理的に保障するための十分な育児休業代替要員制度など定数・予算増が欠かせないことは明白であり、定数削減を推し進める以上、目的は達成できません。

(4)非正規職員にも均等待遇を
 定数削減の代替として、臨時・非常勤職員や委託労働者が飛躍的に増大しており、現在の行政運営において、これら非正規職員の存在は欠くことのできないものとなっています。
 しかし、各自治体の特定事業主行動計画は、一部の自治体において「今後の検討課題」であることを明記しているものもありますが、全体として常勤職員のみを対象としたものとなっています。
 特に、臨時・非常勤職員は自治体直接雇用労働者であり、雇用主の責任として対応すべきものであり、計画対象からの除外は問題です。

(5)2007年度予算闘争から春闘期における単組の要求前進
 2007年度予算要求実現へ向けた闘いから今春闘において、少なくない単組において次世代育成支援対策の具体的な前進を勝ち取っています。
 豊島区職労では、@子の看護のための休暇の時間単位取得、A出産支援休暇日数の増(2日⇒5日)、B出退勤時職免改善(小学校1年生以下⇒小学校3年生以下)、墨田区職労では、@妊娠初期休暇拡充、A育児参加休暇新設、B出産支援休暇の時間単位取得可、板橋区職労では、子どもの看護休暇対象範囲を小学校3年生まで拡大しています。
 当該単組の粘り強い闘いの中で実現した成果を、東京自治労連全単組における要求前進へつなげていくことが求められています。

3 対応方向:諸要求前進へ向けて実効ある計画改定を求めます
 行動計画策定指針を受けて、計画期間については、多くの自治体が「2005年度からの5年間。概ね3年を目途に見直す。」としており、2007年度は計画見直しの年度にあたります。
 見直し改定年度を計画に明記していない自治体においても、法の趣旨や現行計画の実施状況・国の制度との整合性などを踏まえて、見直しを求めていくことが必要です。
 各単組において行動計画内容の検証を行い、2004年11月に自治労連の発表している「モデル要求」(「次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画等に対する自治労連の取組について」)も踏まえて、改定要求を作成し、その実現に向けた取組を進めます。
 
 
4 具体的な取組について
(1)実態調査の実施
 東京自治労連女性部の協力を受けて、構成各単組における現行特定事業主行動計画の内容ならびに、計画策定以降の改善状況を把握します。
 そして、推進体制、実施状況点検、環境整備、休暇制度改善、臨時・非常勤職員のとり扱いなどの各項目について、最高到達点を把握します。
 
(2)重点要求課題の作成
 実態調査結果と自治労連モデル要求案、国家公務員において制度改善されている休暇制度などを踏まえて、6月を目途として、重点要求課題を作成、提起します。

(3)各単組における現行特定事業主行動計画実施状況に関わる検証の取組
 計画実施状況の点検については、使用者側委員のみで構成される委員会における点検実施という方法が一般的となっています。
 このため、各単組が自主的に計画実施状況の点検を進めていくことが重要であり、各単組における検証作業を進めていきます。

(3)要求の確立
 各単組は、重点要求課題と検証作業結果を踏まえて、特定事業主行動計画の実効ある改定に向けた要求を策定し、計画改定と次世代育成支援対策の具体的前進へ向けて取組を進めます。
以上