2007年国民春闘中間総括(案)
2007年4月18日
東京自治労連中央執行委員会
1.はじめに
 全労連・国民春闘共闘会議は、「守ろう憲法・平和、なくそう格差と貧困、つくろう安全・安心な社会を」をスローガンに掲げて、2007年国民春闘をスタートしました。
 東京自治労連は、1月27日、第30回中央委員会を開催し、2007年国民春闘方針を確立しました。
 春闘方針では、今春闘における主な課題として「憲法を地域・職場でいかし、改悪教育基本法の具体化阻止、地方公務員法の改悪、国民投票法の成立阻止、国民保護法・国民保護計画の実施を阻止」「雇用、賃金、医療を守り、公契約法・条例の制定、最低賃金の引き上げ、大増税に反対し、国民生活を擁護する」「NPM行革・給与構造改革など『新行革指針』」に基づく自治体構造改革と対決し、組合員の労働条件と都民生活を守り、革新・民主の自治体実現をめざす」「組織の強化・拡大を図る」の4点を掲げました。
 また07春闘を闘うにあたっての基本的構えとして、「10割職場討議の追求」「全ての単組・支部・分会・部会からの要求提出」「一自治体一共同の取り組み」「組織拡大・強化」の4点を掲げて取り組みを進めてきました。
 07国民春闘は、政府・財界による構造改革路線の結果として生じた「格差と貧困」が社会問題となり、その是正を求める国民的世論が高まる中で闘われたものです。
 国民世論に真っ向から反して、労働法制の全面改悪をはじめとする構造改革の推進と、その延長線上にある憲法改悪の策動を進める政府・財界に対するわたしたち全労連の全面対決は、連合をも格差と貧困解消・賃金底上げ・賃上げ要求を掲げる状況を作り出し、残業不払い法案の先送り、最低賃金法改正をはじめとした高い到達点を築くと共に、少なくない企業における正規雇用化促進・非正規労働者賃金引き上げなど格差と貧困解消へ向けた前進を作り出しています。
 こうした全体状況をつくるとともに、東京自治労連においても、各単組における休暇制度改善や増員要求実現、非正規労働者賃金での改善など粘り強い闘いによって具体的な要求前進を実現しています。
 職場・地域からの取組と共同を追求し、職場要求・住民要求実現の闘いと革新・民主の自治体実現の闘いを結合して取り組んだ07国民春闘の到達点と課題を共有化し、夏季闘争、秋季・年末闘争へ闘いを継続・発展させるため、以下のとおり07春闘中間総括案を提案し、定期大会まで単組・職場での討論をお願いするものです。
 なお、革新民主の都区市町村政の確立をめざす闘いについては、別途総括案を示すものです。

2.情勢の特徴と07国民春闘の到達点
 (1) 憲法改悪、悪政強行阻止を軸にした国民的闘争
 米国からの改憲要求の強まり、2010年代初頭の改憲を掲げる財界からの要求を背景に、5年以内の改憲を目指す安倍政権は、国民投票法案=改憲手続き法案の5月3日までの成立を目指しており、改憲手続き法案阻止が今春闘における大きな課題となっていました。
 全国的な闘いのもとで、与党は衆議院において強行採決を余儀なくされる状況まで追い込みましたが、今国会における法案成立を狙っています。
 3月27日に提出された与党の修正案は、@公務員・教員の運動をより規制する、A最小の賛成で改憲案を成立させるため最低投票率の規定がない、Bテレビ等の有料コマーシャルを野放し状態にしたこと、など大きな問題点を持っており、自民党は2月28日に改憲国民運動推進本部を設置して改憲世論形成へ向けた取組を準備するなど情勢は緊迫したものとなっています。
 これに対して、地域・職場・分野別の「九条の会」は毎月200のペースで結成され、2月1日時点で6000を突破するなど私たちの闘いも前進しており、世論調査でも国民の多くが改憲手続き法案について慎重審議を求め、多くの地方紙の論調や公聴会の陳述の多くが慎重・徹底審議求めているなどの到達点を築いています。
 これらを確信としながら、「9条を守れ」の声を総結集し、改憲手続き法案の廃案をめざして引き続き奮闘しましょう。

 (2) 前進する「格差と貧困」をなくす闘い
 政府・財界の推し進める構造改革路線に基づく労働法制・社会保障改悪と公務の市場化、リストラ・賃下げによって、21世紀の日本において「格差と貧困」が社会問題となる異常な事態が生じています。
 生活保護は104万世帯に達し、労働者の3人に1人が非正規労働者、年収300万円以下の労働者が1700万人に達し、労働者全体の平均賃金は8年連続で減少する一方で、資本金10億円以上の大企業は史上空前の利益を記録し、その利益は14兆円とこの5年間で2倍に拡大しています。
 こうした実態に加え、偽装請負・違法派遣、不二家をはじめとしたモラル崩壊など不当な企業の姿勢が明らかとなる中で、「格差と貧困」の解消を求める大きな国民世論が形成されました。
 これに対して、財界は「2007年版経営労働政策委員会報告」の中で、労働法制・社会保障制度改悪を前面に掲げ、賃金抑制・制度改悪に引き続き固執する開き直りの主張を展開する中で、07春闘が闘われました。
 全労連・国民春闘共闘委員会は、格差と貧困の是正、働くルールの確立、雇用確保、賃金改善、全国一律最低賃金制度の実現、安全・安心な地域社会の実現を掲げ、特に政府・財界の策動する労働法制改悪反対、「誰でも月額1万円以上、時間給百円以上」の賃金底上げ要求の実現へ向けて、「全国キャラバン」「働くルールを求める100万請願署名」運動等を積極的に展開しました。
 8000人が参加した「3・6中央行動」など、公務・民間、正規・非正規労働者が一体となった春闘を進める中で、連合を含めた社会的世論を形成し、残業代不払い法案の先送り、「生活保護との整合性を考慮する」最低賃金法改正、パート労働法改正など緒戦の勝利を実現しました。
 また、キャノンにおける一部正規雇用化をはじめとした違法派遣・偽装請負の一部解消が行われると共に、パート・アルバイト等の賃上げ・企業内最賃の回答・協定も昨年以上に進む到達点を築いています。
 国民春闘共闘委員会に結集する労組は、3月30日現在で33.5%の組合が回答を引き出し、その加重平均は「6,781円・2.04%」と前年比プラス654円・0.04ポイント、連合の加重平均「5,927円・1.94%」を上回る健闘をみせています。
 一方で、大企業では労働者の期待を裏切る「500円〜1000円のベア」を押し付け、業績向上分は一時金に上乗せして決着しており、商業・サービス分野では相変わらず消費不況下の業績不振、中小では引き続き原油高、素材・鋼材価格の高騰を価格に転嫁できず、取引先からのコスト削減圧力もあって、業績回復に至らないことが低額回答として表面化する実態もあり、産業別にも産業内でもプラスとマイナスの二極化の様相を呈しており、引き続き賃金改善の取組が重要となっています。

 (3) 公務員賃金抑制・公務員制度改革問題
 全労連・公務労組連絡会は、3月22日に「07春闘要求書」への回答を求めて、総務省・人事院との最終交渉を行いました。
 公務員労働者の賃上げや労働条件改善を求める私たちの要求に対して、「人事院勧告制度の維持・尊重」(総務省)、「官民較差にもとづく適正な給与水準の確保」(人事院)など、従来の回答の枠を一歩も抜け出ない、極めて不満なものとなっており、来るべき人勧期の闘いにむけて、全力を挙げていく必要があります。
 政府・財界は、総人件費抑制方針のもとに、徹底した公務員賃金削減攻撃を強めてきていますが、さらに、教員の免許制導入・社会保険庁解体・公務員制度改悪を策動しています。
 特に、公務員制度改革問題では、労働基本権回復問題は置き去りにして、天下り温存、能力業績主義強化、身分保障の後退、公務変質につながる官民交流推進など、極めて問題の多い内容が示されています。
 そして、3月29日の公務員制度改革に関する閣僚懇談会において、安倍首相は国家公務員法改正案の今国会提出と、公務員制度改革の全体像について「早急に考え方をまとめ、(6月に策定する)『骨太の方針』に入れ込んでいきたい」と表明するなど、緊迫した情勢を迎えており、一層の取組強化が求められています。

 (4) 政府・財界の構造改革路線に基づく自治体変質・社会保障改悪攻撃との闘い
 財界の意向に沿って政府は、「小さな政府」論に基づく「構造改革」を進めています。規制緩和と公務公共サービスの市場化による企業の公務部門への参入は、耐震偽装問題等の社会問題を生み出しました。政府は、官民労働者の分断、国民・住民と公務労働者とを分断しながら、財界の意向を受け行政改革推進法・市場化テスト法による自治体の市場化を一挙に押し進めようとしています。公務員の「総人件費削減の基本指針」では、国家公務員の5年で5%削減、市場化テストの導入・給与制度改悪で今後10年間・対GDP比で半減するとしています。地方公務員についても、4.6%を最低ラインとして純減を求めています。一方、3月29日総務省は「新行革指針」に基づく集中プランの数値目標は、都府県、政令都市などの職員削減率が5.3%になると発表しています。
 社会保障関係では、政府07予算において自然増分の圧縮、医療制度の改悪で、入院患者・高齢者負担増、介護料の引き上げ、年金保険料引き上げ・年金給付額削減を盛り込みました。また児童扶養手当給付費負担金や義務教育費国庫負担の縮減・廃止引下げ、教員の定数削減で教育予算の削減を行い、地方間教育格差を生む要因を自治体に委ねました。また、年金全体の低位水準化を狙い、共済年金、厚生年金の一元化を閣議決定しました。
 今、国民生活の状況悪化はますます広がっています。小泉「構造改革」路線と強権政治を許さない国民的運動が今後も求められます。

3.東京自治労連における取り組み
 東京自治労連は、全労連・国民春闘共闘委員会、自治労連、東京春闘共闘などの方針をふまえ、12月15・16日に例年を上回る149名の参加で春闘討論集会を開催するなど、春闘方針案討議を深め、1月27日の中央委員会において春闘方針を決定すると共に、方針に基づく積極的な取組を進めてきました。
 また、全組合員参加で方針討議と意思統一を図るために、今春闘期においても10割職場討議の実施を重視し、各単組における積極的な受け止めによって、9単組において全組合員対象の職場懇談会が精力的に実施されるなど、全組合員に依拠した春闘を展開してきました。

 (1) 憲法改悪阻止、「戦争できる国」づくりに反対する取り組み
 東京自治労連は、「憲法をいかす自治体労働者東京連絡会」を軸として、憲法改悪阻止の闘いを進めてきました。
 2月15日の事務局・世話人合同会議において当面の運動課題を確認し、春闘期には改憲のための「国民投票法案」の廃案を求める団体署名を独自に取り組み、3月7日に東京選出国会議員50名に対して、団体署名提出・要請行動を実施しました。
 また、「憲法改悪に反対する東京共同センター」の「9の日宣伝行動」、1700名が参加した「守ろう憲法!ゆるすな改悪教育基本法!2・3東京集会2007」など地域の取組、自治労連の中央行動など積極的に参加してきています。
 平和問題では、「3・1ビキニデー」等の核兵器廃絶運動に積極的に参加すると共に、東京都知事選挙においても東京における基地問題・平和問題を位置付けて闘いを展開してきたものです。

 (2) 格差と貧困の解消・賃金底上げ・労働法制改悪阻止の闘い
 12月19日に発表された日本経団連「2007年版経営労働政策委員会報告」に対し、同20日付で見解を表明し、労働法制改悪と賃金抑制を狙う財界との全面的な闘いを進めてきました。
 労働法制改悪の策動に対して、国民春闘共闘・東京春闘共闘は、12月14日には500人・1月18日には800人の参加で日本経団連・厚生労働省包囲行動を実施するとともに、1月18日には丸の内デモで大きくアピールを行いました。
 07春闘のスタートを切る1月9日の新春宣伝行動には270名、「格差是正、貧困なくせ、平和な日本を守れ!」をスローガンとした2月22日を中心とした「怒りの総行動」では、都内256ヶ所での宣伝行動が実施されるなど延べ6000名が行動に参加するなど、東京自治労連も東京春闘共闘に結集して、職場・地域から運動に積極的に取り組みました。
 特に、1月29日にスタートした第3回となる東京春闘共闘自治体キャラバンには、公共一般組合員の直接参加を意識的に取り組むなど主体的に参加し、@臨時職員の賃金引き上げ、A公共工事、業務委託での公正賃金確保、B指定管理者制度の導入や一般競争入札による雇用継続問題や労働条件の悪化問題で、島嶼をのぞく53自治体中45自治体と懇談を実施し、この中で臨時職員の最低時給引き上げなどの流れを作っていますが、公契約条例については、国の制度化待ちの姿勢が強く、運動の一層の強化が求められます。
 また、単組においても非正規職員の賃金改善に向けた取組が旺盛に展開され、墨田区における臨時職員賃金引上げや、文京区における非常勤職員報酬の最大12%引き上げ実現を始めとして、正規職員労組と非正規職員労組の共同の闘いによって要求の前進を勝ち取っています。
 東京地評公務部会のビクトリーマップ宣伝では、新宿西口地区のチラシを作成し、独自の宣伝行動も実施するなど、大企業利益の社会的還元と官民共同の春闘期の賃上げ闘争に主体的な取組を行いました。
 労働法制改悪問題に対しては、国民春闘共闘に結集して中央行動などに結集すると共に、当面する労働法制改悪反対・働くルール確立目指す取組方針を1月24日に確立、また、パート労働者への社会保険適用拡大問題では、1月10日付で論点と対応方向を決定するなど、主体的な取組に留意して、この問題を重視して取り組んできました。

 (3) 賃金・労働条件改善へ向けた闘い
 23885名を集約した「働くみんなのアンケート」において、組合員等の生活実態・要求を集約し、東京自治労連としての春闘要求を確立して3月13日に市長会・町村会、3月22日に東京都へ提出・要請行動を実施しました。
 要求実現へ向けて、78.10%の高率でストライキ批准投票を成功させ、東京自治労連として3・15全国統一行動には、時間内外の職場集会を配置し参加者総数3120名、4・12には時間外職場集会と中央行動参加を配置し、総数579名の参加で春闘要求の正当性を社会的にアピールし、政府・財界・都・市区町村に要求実現を迫る闘いとして展開しました。
 このほか、要求実現へ向けた取組では、選挙事務従事職員に対する公務災害適用問題で、地方公務員災害補償基金東京都支部への要請を実施し、勤務対価の支払方法を問わず公務遂行性を認めることを実現しました。
 また、東京都後期高齢者医療制度広域連合への派遣職員の労働条件問題では、1月30日に対応方針を確立し、解明要求を経て、要求書を提出し、交渉を進めてきました。争点となった共済組合一本化問題では、2月20日に総務省要請、3月13日に市長会・町村会要請を実施するなど精力的な取組を進めましたが、この問題では実現に至らず、今後の課題となりました。しかし、その他の要求事項についてはいずれも実現する到達点を得ることができました。
 10市13町村15一部事務組合職員の退職手当支給に関わる東京都市町村退職手当組合から多摩市職に提案された退職手当改悪問題では、当該単組と共に粘り強く交渉を重ねてきましたが、東京都制度準拠の壁を崩せず、2月21日の管理者交渉において経過措置と単組交渉事項の回答を受けて収束しています。
 東京都の賃金確定闘争において継続協議とされた休息時間見直し問題に関連して、12月26日に総務省から「勤務条件等調査結果」が発表されています。勤務時間・特別休暇改悪の方向を示す内容であることから、1月10日付で見解と対応方向を示し、改悪攻撃に対する闘いの準備を進めています。
 各単組においても、要求実現へ向けた粘り強い闘いが進められ、子どもの看護休暇小学3年生まで拡大(板橋区)、出産支援休暇現行2日を5日に拡充(豊島区)、育児参加休暇新設・妊娠障害休暇改善・出産支援休暇改善(墨田区)など、具体的な組合員の諸要求での前進を勝ち取るとともに、豊島区・墨田区などで臨時職員賃金引上げを実現するなど、賃金底上げ問題での前進を勝ち取っています。

 (4) 社会保障など国民要求実現と自治体リストラとの闘い
 春闘期に山場を迎えた2007年度予算人員要求闘争は、昨年5月の「行革推進法」「市場化テスト法」「地方自治法一部改正」や、7月の「骨太方針2006」と、これに基づく新たな地方行革指針(8月)、市場化テスト基本方針など、地方自治を否定した政府主導による厳しい自治体構造改革攻撃の中で迎えることとなりました。
 構造改革を先導する石原都政のもとで昨年7月に「行財政改革実行プログラム」が策定され、東京都版市場化テストが打ち出され、この間不公正な行為を重ねて社会的な批判を浴びている「LEC東京リーガルマインド」が都立技術専門校における公共職業訓練業務を落札するなど、反都民的な事態が生じています。
 東京自治労連は、この問題では2月7日付で抗議の書記長コメントを発表しましたが、引き続き、東京都版市場化テストとの闘いを強めていくことが急務となっています。
 また、都立病院等の地方独立行政法人化問題では、単組の要請を受けて、対策委員会を設置し、2月7日に春闘期の行動計画を策定し、11万部のミニパンフレット普及の取組、3月12日には老人医療センター等の地方独立行政法人化問題での対都要請行動を実施しました。また、当該支部が中心となって、老人医療センター問題でのシンポジウム(2/10)を200名の参加で成功させるなど、関係各支部も広く都民に訴える取組を展開しています。
 保育では、公的保育制度の切り崩しを狙う「認定子ども園」制度に関わって重大な影響を持つ東京都認定基準を巡って、数次にわたる対都議会要請行動や署名などの取組を強めましたが、12月15日の都議会本会議において極めて問題の多いかたちで条例化が強行されており、今後の検証と規則改正へ向けた闘いが求められます。
 区市段階における自治体リストラ攻撃も激しさを増していますが、各単組において多くの職場組合員を結集し、広く住民とも共同した闘いが無数に展開され、粘り強い闘いが行われています。
 こうした中で、文京区保育ビジョン策定委員会中間まとめが公設園の維持を打ち出すなど、市場化の流れに歯止めをかける到達点も作り出しています。
 政府の進める社会福祉・社会保障改悪との闘いでは、生活保護の老齢加算廃止処分取り消しを求める生存権裁判がスタートし、東京自治労連も2月17日に結成された「生存権裁判を支える東京連絡会」に結集して取組を開始しています。
 また、後期高齢者医療制度については、1月30日付で対応方向を確認し、事業水準などに関わる取組を進めていくこととしました。

 (5) 住民本位の自治体づくりの取組
 革新民主の都区市町村政の確立をめざす闘いの総括については、別途提起するため、当該部分を除く取組について以下に示すものです。
 自治体の行財政問題については、今年も東京都・特別区・多摩の予算分析を各単組の協力を得て実施し、「2007年度東京の予算分析」として発行しました。
 また、都区財政調整協議結果については特別区当局へのヒアリングを実施し、特に福祉保健局所管補助金の一般財源化問題に対する見解を発表するなど、自治体行財政委員会の活動を軸に行財政分析の取組を進めてきました。
 革新・民主の自治体確立に向けて、自治労連の提起を積極的に受け止め、北九州市長選挙・神奈川県知事選挙への支援オルグに主体的に参加するなど、統一地方選挙全体の前進をめざして奮闘してきました。

 (6) 組織の拡大・強化の取組
 組織拡大強化の課題は、春闘の柱であり、今春闘においても組織拡大推進委員会のもとに、新規採用者、未加入組合員、公務公共職場の臨時・非常勤職員の組織化に加えて、新たな取組も実施してきました。
 1月28日に、都内4箇所の介護福祉士試験会場において、東京介護福祉労働組合への加入を呼びかける宣伝行動を実施しました。38名の参加で4400部のパンフを配布する中で、早速電話相談が寄せられるなどの成果が生まれています。
 また、東京地評の取組として3月24日に武道館において実施された法政大学卒業式では、70名の参加で4000部の権利手帳配布行動を実施しています。
 自治労連は30万自治労連建設にむけた今後の組織強化拡大に向けて、「組織拡大専任者制度」創設を提起しています。東京自治労連は、この提起を主体的に受け止め、5万東京自治労連への接近を目指して、2月7日に対応方針を決定しました。
 一方で、都庁及び特別区において時間内組合活動の見直しが余儀なくされており、現在も一部単組において協議中ですが、時間内組合活動については大幅に縮小せざるを得なくなります。今回の見直しに伴って、組合活動が縮小するのではなく、一層の強化・発展を目指していくことが必要となります。
 春闘期の組織拡大を前進させ、今後の組織拡大と強化、組合員の諸要求実現へ向けて奮闘していくものです。

4.2007国民春闘の教訓と今後の課題
 (1) 賃金改善、雇用確保・働くルールの確立へ向けて
 わたしたち全労連・国民春闘共闘委員会は、格差と貧困の解消を前面に掲げ、賃金底上げ・均等待遇・働くルールの確立などの要求を掲げて、広く国民世論に訴え、官民共同の春闘を展開してきました。
 こうした中で、国会においては労働法制抜本改悪の策動を抑えてパート労働法・最低賃金法改正へ流れを作ると共に、少なくない企業における正規雇用化促進や非正規労働者賃金の引き上げなど格差貧困解消へ向けた大きな前進を築いています。また、不十分ではありますが、大企業における賃上げへの流れも作り出しています。
 一方で、政府の推進する公務員総人件費削減攻撃は厳しいものがあり、人勧体制を活用した労働者全体の賃金水準引き下げ攻撃、公務の徹底した民営化路線に伴う不安定雇用拡大・受託労働者賃金低下など、公共部門が全体の足を引っ張る事態が続いています。
 さらに、政府は公務員制度改革を強行する動きを強めています。
 このため2007春闘における到達点を夏季・秋季年末の公務員賃金闘争・リストラ反対闘争に結び付けていくことは極めて重要な課題となっています。
 また、財界はホワイトカラーエグゼンプション導入など労働法制全面改悪の策動を強めており、特に、「働くルールを求める100万請願署名」運動については、全体としての数が伸び悩んでおり、飛躍的な署名数拡大へむけての一層の取組強化が必要です。

 (2) 憲法・平和を守る闘い
 憲法改悪問題では、改憲へ向けた「国民投票法案」阻止へ向けた闘いが山場を迎えます。
 政府与党は、公務員労働者の運動を抑えるために、「地位利用」の国民投票運動を広く禁じるなど萎縮効果を狙った策動も強まっており、広範な国民世論を結集した「国民投票法案」阻止闘争の強化が求められています。
 各地域段階での取組が積極的に展開されてきている一方で、職場段階の取組での工夫が求められており、「憲法をいかす自治体労働者東京連絡会」の取組を強化し、文字通り職場と地域からの具体的な運動前進をめざしていきます。

 (3) 国民生活擁護、自治体リストラ反対、民主的自治体づくりの取組
 構造改革路線にもとづく、庶民増税、医療制度抜本改悪、社会保障・社会福祉制度改悪が相次ぎ、住民生活は深刻な状況に置かれています。
 格差と貧困の解消をめざす圧倒的な国民世論を背景として、反撃も強まっていますが、一層の取組強化が求められます。
 特に、相次ぐ諸制度の改悪や自治体リストラが生活保護・介護・障害福祉・保育・教育・税などの職場と地域住民にどのような問題点をもたらしているのか、そして、その改善方向を示すことは自治体労働組合にとっても重要な責務です。
 自治労連の提起する「見直そう、問い直そう、仕事と住民の安全・安心」の運動を積極的に受け止めた闘いの展開が必要です。
 5月19日に開催する「第5回自治体構造改革反対交流集会」において、情勢と闘いの方向、各単組・職場の闘いの到達点と教訓の共有化・意思統一を行い、秋季年末闘争での前進をめざします。
 革新・民主の自治体作りの課題では、足立区長選挙など参議院選挙前の闘いでの前進をめざして奮闘していきます。

 (4) 組織の拡大・強化
 組織強化の課題では、都庁・特別区における時間内組合活動見直しのなかで、今回の見直しに伴って、組合活動が縮小するのではなく、一層の強化・発展を目指して、単組・支部との検討を進めていくこととします。
 また、各単組における新人歓迎の取組など青年層の組織化問題も春闘期に旺盛に取り組まれており、この到達点を踏まえて、夏の平和運動や秋季年末闘争における青年層への働きかけを強めていくことが重要です。
 組織拡大問題では、春闘に新たな取組も実践しており、今後、「5万東京自治労連」建設へ向けて、「組織拡大専任者制度」の活用を含めて、本格的な取組方向を明らかにしていくことが課題となります。
以  上