革新民主の都・市区町村政確立をめざす闘いの総括(案)
2007年4月25日 東京自治労連中央執行委員会
はじめに
 4月8日投票で東京都知事選挙、4月22日投票で市区の首長選挙が行われました。都知事選挙は石原氏の三選となりましたが、東京自治労連が推薦した吉田万三氏は629,549票を獲得し、99年の三上満氏の66万票に迫り善戦、奮闘しました。この結果は、現職知事の強さを示すとともに、2期8年の石原都政へ批判の広がりと税金の使い方を根本的に変えると訴えた吉田万三氏の政策への支持が広がった成果です。また、単組と共に推薦した国立市と世田谷区では国立市長選挙では関口博氏が当選し、市民生活優先の上原市政を継承することができました。
 政府・財界は、戦争する国づくり、「構造改革」の中で、総人件費の抑制や成果主義賃金、民営化など自治体の役割を住民福祉の向上から自己責任を強調し、競争による市場化や自治体を住民の管理組織にしようとする攻撃を激化させています。
 東京自治労連は自治体労働者の生活と権利を守り、住民生活の安定や向上に働きがいを持てる職場づくりを進めるという職場要求を実現するために、東京都知事選挙や市区の首長選挙に取り組んできました。
 私たちの取り組みが都知事選挙で石原都知事が病院や高齢者対策を発言せざるを得ない状況に追い込み、福祉政策の充実が争点に押し上げた大きな原動力となりました。要求前進にとって大きな財産を築いた組合員皆さんの闘いを振り返り、住民生活優先の革新都・市区政を確立する運動を継続するために以下のとおり、総括します。

1.自治体のあり方を変質させる攻撃のもとで闘われた統一地方選挙

 1)労働条件に対する政治的攻撃が激化する中での闘い
 06年の確定闘争で都や区、いくつかの市では、本給を下げ、地域給の率を上げるという賃金改悪や退職金の改悪が行われました。私たちは、この闘いで人事委員会や当局に対して、提案の根拠についての説明を求めるとともに、各職場の実態を反映した提案を求めました。しかし、人事委員会や当局は、根拠を明らかにせず、また、職場実態も考慮せず、国と同様の制度を押し付けてきました。これは総人件費抑制という財界の意向に沿った結論の押し付けという政治的な攻撃でした。人員削減も同様であり、石原都知事は候補者のテレビ討論で「職員を5万人減らした。」と強調し、吉田万三氏から「数字の量ではなく質の問題」と反論されていました。
 さらに、成績率の導入にみられるように自治体労働者間のみならず、全体の奉仕者としての自治体労働者を否定し、住民と自治体労働者とを分断させようとする政治的意図が具体化させられようとしています。
 今回の都知事選挙や市区長選挙は労働条件改善のためにも政治の流れを変えて、政府や財界による理由なき攻撃を職場・地域から具体的な実態や理論で反撃する闘いでした。

 2)平和憲法改悪の具体化を進めようとする中での闘い
 安倍首相は任期内の憲法改悪を明言した戦後最初の首相です。
06年の国会では教育基本法の改悪や防衛省法などを強行し、「戦争する日本」をつくるための具体化を進めています。また、通常国会には平和憲法を改悪するための改憲手続法の衆議院での与党単独採決や教育3法の提出など平和憲法を改悪するための準備を進めています。
 石原都知事は「あの憲法は認めない」などの憲法否定発言を繰り返しています。具体的政策でも「日の丸・君が代」の強制、扶桑社の教科書の採用、自衛隊やアメリカ軍の震災訓練への参加など平和憲法否定の世論づくりを進め、改憲勢力の先頭に立っています。安全・安心政策も住民の共同やコミュニティによる政策よりも監視や治安を優先しています。
 今回の統一地方選挙は憲法擁護を宣誓し、「再び赤紙を配らない」との自治体労働者の決意を実現する闘いでした。憲法9条の改悪に反対する国民世論が大きくなる中での選挙として吉田万三氏や関口博氏などの東京自治労連の推薦した候補者は憲法擁護を政策に掲げました。

 3)自治体の役割を変質させる攻撃を具体化してくる中での闘い
 税金の使い方を根本的に住民優先とするのか、大企業優遇とするのかが問われました。特に小泉構造改革以来、大企業の収益が国民生活の向上につながるかのような理論が展開されました。しかし、ここ5年間で企業の利益は2倍に、役員報酬は1.8倍になる一方で勤労者の収入は1割減という数字が示すように、所得の格差は拡大しています。
 さらに、自治体構造改革が所得と貧困の拡大に拍車をかけています。自治体構造改革は、自治体の仕事の一部を民間に委託するという段階から、自治体の仕事自体を民間の責任とし、住民生活を自己責任と競争の市場に委ね、企業の利益の場を拡大する段階へと変質しています。「何が贅沢といえば福祉」と明言した石原都政は、福祉予算を決算ベースで450億円削減しました。都立病院や保健所の統廃合、市区町村への財源なしの政策の押し付け、都営住宅の新規建設ゼロなど都民の生活要求には応えていません。さらに、市場化テストや指定管理者制度、地方独立行政法人化など具体化が進んでいます。
 その一方で、負債総額3,800億円で事実上破綻した臨海副都心開発関連第3セクターの放置、負債が増加する新銀行、オリンピック誘致を口実とした幹線道路整備や毎年1000億円の積み立てなどの大企業の利益となる大規模開発は推進しています。多くの市や区も財政の好転を受け、住民生活ではなく、大規模再開発の推進を進めようしています。
 さらに、石原都知事による豪華海外視察、料亭政治、四男の重用など都政の私物化も税金の使い方として都民の中に大きな批判が生まれました。
 今回の統一地方選挙は、都政や市区町村政を大企業の支配から住民の手へ取り戻す闘いでした。

 4)住民に広がる自治体の市場化への疑問の声
 都民要求全都連絡会の都民アンケートによると「医療・福祉・介護・保健の充実」が27%で最も多く、「国保・介護保険の負担軽減」「子育て、教育支援」「中小企業支援・雇用対策」と続いています。この都民世論は、福祉・医療・教育・暮らし・営業など都民施策の充実を求めています。
 また、「マンション構造計算」の偽造やディーゼルエンジン排ガス規制でのデータ改ざん、「コムスン」の事業所の設立の虚偽申請と事業所の突然の閉鎖など市場化によって公共性が確保できない事例が次々と明らかになってきています。
 さらに、都立病院の統廃合や保育園の民営化に反対する運動の中で、住民の間から公共性や自治体の役割、自治体労働者の必要性を求める声も広がってきています。
 オリンピックの招致問題も石原都知事がテレビ討論で「幹線道路整備等の口実」であることを認め、浅野候補も白紙から反対を表明するなど、税金の使い方の問題がクローズアップされました。
 今回の統一地方選挙は住民の中から自治体の市場化への疑問が出され、継続性、公平性、正確性など自治体の役割の発揮が求められた選挙でした。

2.職場要求を基礎に世論に訴える取り組み

 1)東京自治労連と各単組の取り組みと課題
 東京自治労連は、06年1月の中央委員会で「革新都区市政の実現をめざす闘いをすすめよう」、5月の中央委員会で「革新・民主の都政と市区町村政の確立をめざす基本方針」を確認し、憲法改悪の反対と自治体構造改革反対の闘いとを結合させ、第6回東京自治研集会を成功させると共に9・25集会などに参加してきました。07年1月の中央委員会の春闘方針で「住民生活を守り、働きがいのある自治体と国をつくるために」確認し取り組みを進めました。
 都知事選挙について、06年10月24日に革新都政をつくる会と吉田万三氏の政策協定を受け、東京自治労連中央執行委員会は10月25日推薦決定を行いました。予定候補を早く擁立できたことは政策の確立と共に決起集会への組織化など結集軸を明確にすることができました。
 次の5点で取り組みを進めました。
  @ 職場の意思統一
   @ 政策パンフやビラを活用した懇談や学習会、交流会等の開催
 自治労連都庁職は06年8月に「CHENGE TOSEI」パンフを作成し、職場と地域に都政の現状と課題、要求を明確にし、早い段階から都政を変える世論の形成を行いました。また、07年の都区市財政分析も例年より早く完成しました。さらに、都立病院の統廃合反対の政策パンフや革新都政の会も保育・女性など分野別パンフを作成し、活用されました。なお、東京自治労連の政策パンフは職場で見やすく、わかり易いものを追求しましたが、発行が告示直前になりました。
 職場懇談や学習会も自治労連都庁職の衛生局支部の14回など、単組・支部や補助組織、職域部会でも開催しました。春闘の職場懇談会等と結合した取り組みが求められています。
 また、自治労連都庁職と自治労連東水労の共同による都庁舎前宣伝を2回行い、候補者が直接、都職員に訴える場をつくることができました。
   A 要求ひとことメッセージ運動
 職場から都政要求を明らかにするため「要求ひとことメッセージ」を寄せる取り組みを進めました。ファックスニュースに掲載すると共に機関紙等に掲載し、要求を明確にする単組もありました。取り組みの意義と方法を早い段階から明確にし、全組合員の取り組みとすることが必要です。
   B 単組・支部・分会・補助組織等での推薦決定
 政策支持も含めすべての単組での推薦決定と29支部、34分会、12補助組織の推薦決定がありました。全都でも1,519組織の推薦決定があり、革新都政の会としては過去最高となりました。特に東京労連と東京地評が合流して初めての都知事選挙で、東京地評が推薦決定を行い、労働組合内での広がりが生まれました。
 各組織での推薦決定の可否をめぐる議論自体が政策や要求を明確にする上で重要です。職場単位での推薦決定を達成するため。東京自治労連本部としての支援も必要です。
   C 単組・支部、職域等の単位での決起集会の開催
 2月17日に自治労連都庁職が全国からの参加を受けて決起集会を開催しました。さらに三多摩の労働者決起集会の成功をはじめ、単組独自や女性部などの決起集会、各地域で決起集会が開催され、各単組から積極的に参加しました。
 春闘決起集会などと結合させると共に、引き続き職場・地域と密着した集会の開催を追及し、多くの組合員の参加できる集会が求められています。
   D カンパ活動
 すべての単組で強弱はあるものの取り組まれました。自治労連東水労や江東区職労では日常生活や仕事と都政の関係などを粘り強く訴え、政策や要求を明らかにするカンパ活動を取り組みました。
 また、福祉・保育の会は独自にカンパ活動に取り組みました。
 要求や政策と結びつけ、対話を通じた組織的なカンパ活動が求められています。
   ミ ファックスニュースの発行
 各地域の取り組みや職場の声、吉田万三氏の行動予定などファックスニュースを16号発行し、各地域の動きを全単組のものとしました。
 課題や取り組みの交流を行ううえで重要な役割を果たしました。
  A 地域との共同
   @ 地域の会の結成
 地域の会は全都で結成されました。
 多くの区職労では、地域の会の結成と運営で役割を果たしました。
 また、三多摩労働者連絡会の結成に参加すると共に事務局としての役割を担いました。
   A 単組・支部はもとより、分会や職場単位での地域の会への参加
 すべての市職・区職は地域の会に参加すると共に自治労連都庁職や自治労連東水労の職場でも地域の会で活動しました。
 職場単位での地域の会への結集や単組間の交流の場としての「地域の会」の位置づけを明確にすると共に、地域と産別が一体となった闘いの基礎をつくりあげた地域の経験を今後の活動に生かしていくことが求められています。
   B 共同した車座集会等の小集会
 いくつかの地域の会や地域団体で開催しました。
 都政の現場を見る会が複数開催され、臨海副都心再開発や石原都知事の都政私物化の現状などを住民とともに明らかにしました。自治労連都庁職は都団体や地域団体とともに講師等を派遣しました。
 引き続き、日常的に継続的な政策課題の小集会や現地調査などの開催が求められています。
   C 商店街等への申し入れ
 都立病院統廃合反対や保育園の民営化反対など、具体的闘争課題と結合させ、住民や関係団体への申し入れを行った単組や支部があります。また、自治労連都庁職は春闘の団体訪問活動と一体として取り組みました。
 広範な要求を集めると共に、分かりやすい政策宣伝等を行うためにも訪問や懇談は有用です。意義を明確にして取り組みを強化することが求められています。
  B 政策の宣伝
   @ 全戸宣伝の実施
 約54万戸全戸宣伝を行いました。
 11月から配布された石原都知事の都政私物化問題のチラシには、多くの都民の怒りが結集されました。
 この結果、盤石と見えていた石原都知事の虚像が明らかになり、その後の論戦をリードする大きな力となりました。
   A スポット宣伝、ターミナル等宣伝
 ハンドマイクによる訴えやターミナル宣伝も8つの単組(集約中)で362回、取り組まれました。
 2月18日には全国の支援を受けて雨の中、駅頭宣伝を行いました。
 住民の反応を見ながらの宣伝行動には吉田万三氏の掲げた政策への共感の広がりを直接、把握することができました。
 引き続き、政策を訴えていくことが重要です。
   B 政策宣伝カーの運行
 革新都政の会の政策宣伝に参加するとともに、5単組で宣伝カーを運行しました。東京自治労連も自治労連東水労の協力を得て、宣伝カーを運行しました。宣伝カーでの政策宣伝は、多様な要求実現の道筋と希望を訴える大きな力となりました。
   C 政策ラジオスポット
 東京自治労連として、ラジオスポットをTBSで2月19日から3月21日まで37回、放送し都政の課題を明らかにしました。
  C 政治活動の自由を保障する取り組み
   @ 自治労連のパンフレットの活用
 自治労連全国弁護団の発行した「地方公務員の政治活動・選挙活動について」のパンフレットを各単組に配布し、活用しました。引き続き、自治体労働者の国民としての政治活動の自由と不当な選挙活動への介入を許さないために活用することが求められています。
   A 学習会の開催
 当局の懲戒処分規定の改悪や警察の不当介入が行われている中、自治体労働者としての政治活動を確信をもって行えるよう06年10月5日と07年2月22日に「政治活動の自由を守る」学習会を開催しました。学習会では全戸配付や職場での懇談会等について質問が出され、当局の不当な介入を許さない力となりました。
   B 顧問弁護団による連絡体制の確立
 不当な介入や弾圧に対応するとともに、日常的な教宣活動等での疑問に応えるために顧問弁護団による連絡体制を確立し、単組や補助組織等で活用されました。
 政治活動を選挙活動に対し、不当な制限が多い中、当局による攻撃に口実を与えることのない、体制の確立が引き続き必要です。
  D 体制の確立
   @ 革新都政を実現する全都自治体労働者の会の結成と事務所の設置
 自治労連傘下の自治体労働者だけでなく、幅広く運動を進めるために全都を視野に入れて「革新都政を実現する全都自治体労働者の会」を2月17日に結成しました。三多摩の単組を訪問し、会への参加を訴えると共に、複数の自治体で職場の会が結成され、ファックスニュースやチラシなどを送付し、職場での世論形成を図りました。結成に向けた準備不足の結果、結成が遅れて、全体としての交流などができませんでした。
 また、都教組のご協力を得て、三多摩に活動センターを設置し、国立市職や都庁職の組合員が宣伝活動で活用しました。
   A 東京自治労連の補助組織・職域部会の代表や自治労連都庁職の支部長を構成員とする拡大闘争本部の設置
 拡大闘争本部会議は2回開催しました。また、随時、単組代表者会議などを開催して意思統一を行いました。重大な段階で開催するだけでなく、定期的な開催での意思統一が必要でした。
   B 各単組での闘争体制の確立
 ほとんどの単組で、執行委員会内や別途の組織として闘争本部を確立しました。
 自治労連都庁職では毎週、書記長会議を開催し、状況の把握と意思統一を行いました。
 単組での取り組みを着実に進めるためにも体制の確立は必要です。
   C 闘争本部会議・同事務局会議の開催
 東京自治労連として闘争本部会議、事務局会議を開催し、到達点と課題を明らかにしました。
 東京自治労連内に事務局を設けて、日常的な活動など各単組の活動の全体的底上げを図りました。
 しかし、単組間にあった都政との関わりの強弱を均一化する機能を充分果たすことができませんでした。

 2)住民世論の変化
 職場での意思統一や宣伝行動を展開する中で、都民世論は大きく変化しました。
 第1は石原都知事の都政私物化への批判が広範に拡がったことです。この結果、前回の選挙公報では「福祉」の内容として治安と都市再開発を掲げていた石原都知事が今回は、「都民の目線での福祉政策」として医療や高齢化社会対応を掲げざるを得ないところへ追い込みました。
 第2に自治体の役割を問う選挙をつくることができました。
 安倍首相や石原都知事は新自由主義に基づき「小さい政府」とするため、自立自助・自己責任、市場化をすすめ、税金を大企業のためにつかう政策を推進しています。吉田万三氏の掲げた政策はこれと正面から対決し、自治体の役割を住民福祉の向上と正面に掲げました。大企業優先から都民生活優先へと転換することと訴えました。特に若年層の要求として、雇用、妊産婦検診無料化、住宅建設などを示しました。さらに、財源を示し、政策の現実性を明らかにしました。
 石原氏も選挙戦の終盤では「福祉政策を充実する」と、医療費の中学校3年生までの無料化などを訴えました。「東京には格差と貧困はない」「直接給付は時代遅れ」と言っていたのに都民税減税やニート対策も打ち上げさせる状況に追い込みました。
 自治体を変質させようとする動きが現実化する中で、都民世論を背景として自治体の役割という対決点を明確にし、要求前進の道筋を示した選挙でした。

.転換の可能性を示した吉田万三氏の健闘と国立市長選挙の勝利

 1)石原批判票
 今回の都知事選挙は投票率が上がり、前回を約100万人上回っています。こうした中、石原氏は得票を27万票減らしました。このことは、石原批判票が100万票以上、増加したことを示しています。都政の私物化や強権による都政運営、都民切り捨てなどの実態を明らかにした成果です。
 引き続き、要求実現のため、都政の流れを変えることが必要です。都政の実態を日常的に職場と地域に明らかにすることが求められています。

 2)前進と勝利を勝ち取った力
 このような結果をもたらした大きな力は都民の怒りとその組織化とともに、都政転換の方向性を明確に示したことです。
 格差と貧困が拡大し、各種のアンケート結果から見ても都民の不安や不満は増加しています。東京都や多くの市区がこの不安や不満を解消するための政策を推進するのではなく、福祉や医療、教育、雇用など生活のあらゆる場面で不安を拡大させる政策を進めています。さらに、戦争する国づくりへの追随も不安を増大させています。この不安や不満を怒りとし、自治体の役割を明確に示したことが多くの都民の共感を生んだ原動力です。
 引き続き、都政の分析と批判、そして政策提言を行っていくことが重要です。
 自治労連が提起している「見直そう、問い直そう仕事と住民の安全、安心」運動を職場から推進することが重要です。
 巨大な石原氏に立ち向かう決意を固める人がいなかった06年10月の段階で吉田万三氏が決意したことは住民に大きな勇気を与えました。候補者を擁立して闘いをつくり、都知事選挙を経験したことは大きな財産です。
 国立市長選挙の勝利は、上原市政の継承が大きな力です。上原市政が進めている公共料金を上げていないことや都市景観の維持、プライバシーの保護など市民生活を優先する政策と日常的な市民との共同が大きな力を発揮しました。市民・労働者の力の勝利であり、国立市職と共に自治労連都庁職など各単組の労働者センターなどへの集中も大きな力を発揮しました。

4.自治体革新に大きな力を発揮する自治体労働者・自治体労働組合
 東京自治労連は革新都政の会に堤中央執行委員長を代表委員として送り、昨年4月からは中央執行委員を政策担当、組織担当として配置し、さらには事務局への派遣や応援を行ってきました。政策でも運動でも中核を担いました。東京労働者連絡会でも具体的な行動で積極的な役割を果たしました。
 各単組も地域の会などで中心的な役割を担い、地域の活動を推進する力となりました。これらの自治体労働者の姿に対し、都民や地域団体からの信頼も寄せられています。
 自らの仕事を通じてと同時に、労働組合運動として都政・市区町村政の革新を実現するため奮闘することが求められています。

5.日常的共同の追及の必要性
 今回の選挙を通じて、改めて、都政の革新・民主化は日常的な活動の重要性です。今回の成果を発展させるため、引き続き自治体労働者としての運動を進めましょう。

 1)見直そう、問い直そう、仕事と住民の安全・安心
 多くの自治体でトップダウンが進み、職場では働きがいを見失いそうになりがちです。
 しかし、住民生活向上のために自治体で働く私たちは改めて、自らの仕事を住民生活の視点から見直し、職場の意見を実現できる体制の確立が求められています。
 自治労連が提唱する「見直そう、問い直そう、仕事と住民の安全・安心」運動を進めましょう。

 2)一自治体一共同行動の実践
 自治体労働者の闘いは自治体労働者だけでは進められません。住民との共同行動を積み重ね、自治体のあり方についての共通認識をつくることが重要です。
 住民と共に政策をつくると共に要求実現のための共同行動を日常的に進めましょう。

 3)自治研活動
 政策実現のためには、都政や市区町村政の現状を正確に把握し、将来像を明らかにすることが求められています。自治研活動は重要な要素です。職場や職種ごとの交流、住民との共同などの自治研活動を進めましょう。

 4)体制の確立と意思統一
 選挙戦は日常的な意思統一とは別に、特別な体制が必要です。
 東京自治労連の春闘アンケートでも東京都政に対する認識に都と市区では差があります。このアンバランスを解消し、全体として運動をつくるためには体制の確立と戦略が必要です。
 また、今回のように途中で浅野氏が立候補する事態などに対応するため、深い意思統一が必要です。体制の確立と定期的な運営、意思統一を図っていきます。

おわりに
 今回の選挙は、自治体労働者の要求を前進させ、住民福祉向上の自治体をつくるためのものでした。東京自治労連の推薦した候補としては国立市長選挙での関口博さんの当選に止まりましたが、市民中心の市政が市民に評価されたこと、投票率の上昇に見られるように都政への関心が高まったこと、石原都知事がポーズといえ、強権路線を変化せざるを得なかったことなど、私たちの運動が都政や市区政を変える可能性を示しました。東京自治労連は要求と政策を握って離さず、組合員と住民に責任をもって推薦できる大儀ある候補を先頭に、引き続き、主権者である住民と共に運動を展開していきます。
 この成果を引き続き発展させると共に、足立区長選挙などでも運動を展開していきます。