2007年度都立病院・老人医療センター
地方独立行政法人化問題闘争方針
2007年5月9日
東京自治労連中央執行委員会
1 はじめに
 東京都当局は、都民の生命と健康を守る責務を放棄する都立病院の統廃合・公社化等を一方的に推進してきていますが、さらに、「都立病院などの新たな経営形態の検討」を主要改革事項として位置付けた「行財政改革実行プログラム」(2006/7/13決定)に基づいて、都立病院の地方独立行政法人化、豊島病院の東京都保健医療公社移管を視野に入れた検討を進めるとともに、老人医療センター・老人総合研究所の地方独立行政法人化へ向けた検討を進めています。
 これに対し、東京自治労連は、対策委員会を設置し、春闘期における取組方針(「都立病院・老人医療センター等地方独立行政法人化問題等に対する春闘期の取組について」)を策定して、取組を進めてきました。
 
2 春闘期の取組
 春闘期における取組方針の中で、都立病院等の地方独立行政法人化について、@医療をコスト削減の対象とするものであること、A地方独立行政法人化は都民不在・職員犠牲の都立病院等運営をもたらすこと、B地方独立行政法人という運営形態では、東京都自らが掲げる「安定的で継続的な行政医療提供」は構造的に不可能であること、として、その基本的な問題点を明らかにしました。
 その上で、今春闘期は、第1に、都立病院等見直し問題に重大な影響を持つ都知事選挙勝利へ向けて、問題点を広く都民に訴えること、第2に、検討が先行し、その行方が都立病院全体に大きな影響を持つ老人医療センター等の地方独立行政法人化検討への対応を強めること、の2点を課題として掲げました。
 具体的には、自治労連都庁職等が作成した11万部のミニパンフレットの普及活動や、200名の参加で成功させたシンポジウム「老人医療センターのあり方を考える〜地方独立行政法人化は何をもたらすのか〜」(2月10日開催、主催は都民の福祉と医療の充実をめざし、養育院の存続と発展を求める全都連絡会)、各地域における都立病院廃止・統合反対の取組とあわせて、広範な都民世論結集へ向けた取組と、都立病院の統廃合に反対し、その強化を公約に掲げる唯一の都知事候補である吉田万三氏の勝利をめざす取組を結合して取り組んできました。
 また、3月12日には、老人医療センター等地方独立行政法人化問題での東京都福祉保健局要請行動を実施、さらに、この問題での対都要請団体署名を取り組みました。

3 現在の情勢
 東京都知事選挙では、残念ながら東京都による都立病院運営を全面的に放棄しようとする石原知事の三選を許す結果となったものの、石原氏は27万票を減らす一方、反石原票(吉田氏・浅野氏)は前回(若林氏・樋口氏)から114万票を増やすなど、激しく追い詰め、福祉・医療に対する都民の切実な声を結集する中で、争点として浮上させるなどの到達点を築いています。
 この到達点に確信を持って対応を強化していくことが求められます。
 都当局は、「行財政改革実行プログラム」の具体化へ向けた措置を進めており、平成19年度に基本計画、平成20年度に実施計画、平成21年度に地方独立行政法人設立予定とする具体的な日程が示されている老人医療センター・老人総合研究所については、本年4月の組織改正によって、地方独立行政法人化へ向けた準備室を設置し、職員体制も拡充しています。
 また、病院経営本部は「都立病院の経営形態のあり方」の検討に向けて、3月22日に第1回都立病院経営委員会(委員長は大道日本大学医学部教授)を開催しています。
 都立病院経営委員会は、全6回の開催を予定していますが、視察を除くと実質的には6・7・9月の3回の審議で10月には答申を行うこととされており、現場実態や都民要望を反映しない不十分な検討で、極めて安易に地方独立行政法人化または地方公営企業法全部適用の二者択一を行う方向となっています。
 したがって、これらの検討に対して、都民要求を踏まえた「安定的で継続的な行政医療提供」を強く求める働きかけが重要となっています。
 
4 今年度の闘いの課題
 行財政改革実行プログラムに基づく都立病院等の見直し方針に強く反対し、都民の医療を守る闘いを以下の2つの柱で取り組んでいきます。
(1)圧倒的な内外世論を結集して、都当局に見直しを求めます。
(2)老人医療センター等の地方独立行政法人化へ向けた検討が急ピッチで進む中、この問題への具体的な対応を進めます。

5 具体的な取組について
(1)団体署名の取組
 行財政改革実行プログラムに基づく都立病院等の見直し方針に強く反対し、都立直営による都立病院等の維持と充実を求める団体署名を作成し、都内のあらゆる団体、全国の自治体労働組合への協力をよびかけ、圧倒的多数の集約を行います。
@ 都内団体に対しては、団体署名協力依頼を7月下旬開始、自治労連加盟単組に対しては、8月下旬の全国大会において協力呼びかけを行います。
A 7月下旬を目途として、団体署名並びに協力要請用チラシを作成するとともに、東京自治労連各単組から地域諸団体への協力要請の取組を組織するための準備を進めます。
B 都立病院経営委員会の答申までに対都要請行動を実施し、団体署名を提出します。

(2)地方独立行政法人化問題政策PTの設置
 以下の対応を目的として、PTを設置し、地方独立行政法人化問題での政策検討を進めます。
 都立病院運営における地方独立行政法人化の具体的な問題点を明らかにし、都立病院経営委員会委員に送付するとともに、職場・地域への普及を行います。
 今年度中に、老人医療センター等地方独立行政法人化へ向けた基本計画発表が予定される中で、具体的な対応としての対置政策を検討します。

(3)関係各支部等が主催する地域シンポジウム・署名行動・宣伝行動などに積極的に参加します。
以上