都区財政調整「特別交付金」のあり方に関する都区協議へ向けて
2007年5月25日
自治労連特区連執行委員会
 先の都区財政調整協議結果の中で、都区制度改革時の整理に逆行し、東京都による裁量権拡大が懸念される特別交付金の5%への引き上げ問題について、配分ルールの都区間協議が始まろうとしています。
 都区制度改革の理念を踏まえた、客観性と透明性ある配分ルールを確立することが大きな課題となっており、その問題点を踏まえて、関係所管に対する要請の実施などの対応を進めていくものです。

1 2007年度都区財政調整協議結果
 2007年度都区財政調整協議は、2000年の都区制度改革以降、懸案とされている都区間配分問題に関わる極めて重要な協議でしたが、1月31日に開催された都区財政調整協議会において最終的に決定されています。
 その内容は、都区間の配分割合について、平成19年度から、東京都45%、特別区55%(現行は、都48・区52)に変更すると共に、交付金総額に対する特別交付金の割合を現行2%から5%に変更するというものです。
 今回は、三位一体改革の影響に関わって、3%以上の配分割合拡充を求める特別区と、2%に固執する都側とで大きな隔たりが生じていました。
 協議結果では、特別区の配分率が現行52%から55%に改善されていますが、三位一体改革の影響に係る都区財政調整上の対応については配分率を2%とされ、残り1%は都支出金の一般財源化とされ、実質的には都側主張の2%増にとどまっています。
 また、都区制度改革に逆行する特別交付金の拡大が都側主張どおりとされ、特別区にとって極めて厳しい形で区切りがつけられています。
 都区制度改革の趣旨・理念も踏まえず、都区制度改革を都財政「健全化」のための手段と位置付けた不当な東京都の協議姿勢に基づくものであり、強く抗議するものです。
 また、区民参加で財政自主権確立と都区制度改革にふさわしい財源の都区間配分実現へ向けた対応の強化を怠り、またも政治的決着を行った区長会の姿勢も問題といわざるを得ません。
 今回の都区財政調整協議結果の中で、争点のひとつとなった特別交付金問題について、その問題点と対応の方向を示すものです。

2 都側が強く固執した特別交付金拡大
 特別交付金は、災害等の特殊事情に対応するために交付金総額の2%で設定されてきているものですが、今回の都区協議において、都側は最後まで現行2%の特別交付金を5%に引き上げることに固執しました。
 都側は、@普通交付金では対応できない不交付区の三位一体改革減収影響に対する激変緩和措置、A「その他特別な事情に要する経費」に対する措置の拡充、の2点を特別交付金引き上げの根拠としています。
 財調不交付区である渋谷・港区に対して、三位一体改革に係る一般財源の急減に対する激変緩和措置を講じることについては、一定の理解ができますが、その額は100億円弱となっています。
 特別交付金は、5%への引き上げによって総額490億円に達し、激変緩和措置を除いても約400億円と前年度比で226億円も増加することとなります。
 このため、特別区側は、強く反対しましたが、都側は配分率55%と特別交付金5%はセットで見直しすることに固執しました。
 特に、最終段階の協議において、特別交付金の扱いについて「平成19年度については都の案で了承する。平成20年度以降は、都案を踏まえながら、都区双方で十分協議し、納得と理解が得られるよう努力されたい。」として、暫定的な扱いと主張する特別区に対して、都側の返答は「財調条例における特別交付金の割合5%は本則として改正する。」という強硬なものでした。

3 都区制度改革に逆行する特別交付金拡大
 平成18年度の特別区に対する都補助金総額が600億円程度というなかで、490億円という規模はたいへん大きなものです。
 現行制度においても、災害等が発生しなかった場合、「特別な事情があると認められる特別区」に対して、特別交付金が交付されています。
 しかし、この交付は東京都による事実上の1件算定であり、どこの区のどのような事業に対して、いくら交付されたのかは明らかにされていません。
 極めて不透明であり、都の恣意的判断で運用されているといわざるを得ない現状です。
 そもそも、平成12年の都区制度改革において、「大規模な臨時・特例的事業」について、普通交付金等へ移行することで廃止を行い、特別交付金を5%から2%に改定したものです。
 今回の問題は、都区制度改革に逆行するものであり、特別区に対する都補助金総額に匹敵する莫大な財源を「その他特別な事情に要する経費」と称して、都の恣意的判断で配分することは、断じて容認できないものです。

4 特別交付金配分ルールの都区協議へ向けて
 都区財政調整協議の中で、特別交付金の配分ルールについて別途協議を行うことが都区間で合意されており、概ね8月までにとりまとめる方向で、近く、都区間協議が開始されます。
 都区制度改革の理念を踏まえ、都当局による裁量権拡大・恣意的判断を防止するためには、具体的な算定方法の明確化がきわめて重要です。
 都区間では、「区側の納得と理解を得るよう努めていく」と確認されており、都による恣意的判断を排除するためにも、配分ルールについて客観性と透明性の確保が求められます。
 
5 具体的な取り組みについて
 6月中旬までを目途として、別紙「都区財政調整特別交付金配分ルールに関わる要請書」を、区長会並びに都行政部区政課に対して提出・要請を実施するとともに、各区職労から各区当局に対して同様の取り組みを実施します。
以上