2007年参議院選挙で実現をめざす東京自治労連基本要求
2007年7月4日
東京自治労連中央執行委員会
 参議院選挙が当初の予定を1週間延期し7月12日公示、7月29日投票で行われます。数多くの悪法を強行するため、不当にも通常国会会期を延長したことによるものです。
 昨年9月に発足した安倍自公政権は、弱肉強食の構造改革推進路線を継続し、国民への犠牲押しつけを強める政策を次々と打ち出しています。民主党は「政権交代」を強調するものの、際限のない国民負担増など安倍自公政権と悪政を競い合っているのが実態です。雇用、賃金、医療、年金制度の改悪が連続し、国民の中に「格差と貧困」が広がり、人間らしく暮らせることへの要求がかつてなく高まっています。
 外交では、アメリカ言いなりに自衛隊のイラク派遣を継続するなど、アメリカの戦略に加担する政策を継続し、従軍慰安婦問題や靖国神社問題でアジアと世界から孤立を深め、国民の平和への願いを踏みにじり無法な戦争に積極的に参加していく動きを強めています。
 安倍自公政権は、憲法9条を改悪し日本を「戦争する国」につくりかえることをねらっています。憲法改悪を政権の公約として初めて掲げ、参議院選挙で国民の信を問うと公言しています。教育基本法の改悪、憲法改悪につながる「改憲手続き法=国民投票法」の強行、憲法で定める国の社会保障の責任投げ捨てなど、改憲に向かって突き進む安倍自公政権に対して、参議院選挙は国民の厳しい審判を下す絶好の機会です。
 私たちのくらしや仕事の困難の根源には、日本で今続いている悪政があります。この悪政を国民が大切にされる政治に変えるために、職場と地域でおおいに政治を語り、自治体労働者の仕事や自治体の役割を語っていくなかで、厳しい状況を打開する方策や革新的な転換への道について論議を深めていきましょう。
 東京自治労連は、今回の参議院選挙にあたり、「七つの基本要求」の実現を掲げて、国政の民主的転換を求めてたたかいます。政党支持や政治活動の自由を保障するとともに、憲法擁護、「格差と貧困」の抜本的な改善など、組合員と家族の切実な要求、国民的な諸要求の実現をめざして、地域住民とともに積極的なたたかいを展開していきます。

(一)憲法9条改悪をはじめとした、日本を「戦争する国」に変えようとするあらゆる憲法改悪の策動をやめ、日本が世界に向かって憲法のもつ普遍的・人類的な価値を広げる行動をとることを求めます。

 現憲法には、国民主権、戦争放棄、基本的人権、議会制民主主義、そして地方自治の五つの基本原則があります。これらは、人類の長年にわたる苦難と努力の歴史のなかで到達した普遍的な価値であり、世界に誇れるきわめて高い水準を示しています。安倍自公政権はこの価値をなくし、海外で戦争する国へのつくり変えをねらっています。日本の世界への貢献は、アメリカの世界戦略に対する軍事的な協力ではなく、憲法9条に基づく平和的、非軍事的な国際紛争の解決によって、世界の進歩、発展に寄与する貢献であるべきです。現行憲法の遵守、とりわけ憲法9条の改悪をやめることを求めます。
 安倍自公政権は、憲法改悪に道を開く「改憲手続き法(国民投票法)」を強行するなど、憲法改悪に向かって暴走を始めています。参議院選挙はこうした国民無視の暴走にストップをかけ、改憲への流れをとめる絶好の機会です。最低投票率を定めない、公務員や教員の運動抑制をねらう、広告・宣伝などで政権党にきわめて有利な仕組みづくりなど、民主主義に反する悪法である「改憲手続き法(国民投票法)」は廃止することを求めます。


(二)安倍自公政権が強行した「公務員制度改悪」を撤回し、憲法とILO勧告にそった民主的な公務員制度を確立すること、社会保険庁の解体・民営化をやめ社会保障を拡充する国の責任をはたすこと、教育基本法改悪やその具体化である教育改悪3法を撤回することを求めます。

 国際労働基準を勧告するILOが、日本政府に対し3度にわたって公務員労働者の労働基本権付与について勧告・意見を出しています。戦争する国を支える反動的公務員づくりをねらう制度ではなく、憲法の要請とILOの勧告に従って、国民全体の奉仕者としての公務員づくりに資する民主的な公務員制度を確立することを求めます。安倍自公政権が「戦後レジーム(体制)からの脱却」の中核として強行した「公務員制度改革関連法」は、労働基本権の回復にはいっさいふれず、高級官僚の天下りを原則自由とし、「官民交流」で政財官の癒着をすすめ、能力・実績主義の人事管理導入で物言えぬ公務員づくりをすすめるものであり、撤回を求めます。
 5000万件を超える年金記録が宙に浮く問題を解決する責務を負う社会保険庁を分割・解体し、国民の年金・医療を保障すべき政府の責任を投げ捨てることは許されません。社会保険庁の解体・民営化をやめ、国は国民の権利である社会保障を拡充する責務をはたすことを求めます。
 改悪された教育基本法の具体化として、政府の言いなりにならない教員を排除するため、10年期限の更新制を導入し講習・指導改善研修を押しつける教員免許法の改悪、「国を愛する心」の強制や職場を分断し上意下達で動く学校をつくる学校教育法の改悪、教育委員会を統制し国の関与を強める地方教育行政法の改悪が強行されました。国民と教職員の分断を強める権利侵害の攻撃を許さず、教育基本法と教育3法の改悪を撤回することを求めます。


(三)大企業への不当な減税や軽減措置を抜本的に見直し、消費税増税など国民に対するあらゆる増税や負担増をただちにやめ、公平・公正で国民誰もが納得できる民主的な税制度を実現することを求めます。

 安倍自公政権が選挙後すぐに具体化をねらっている消費税の大増税計画を中止するよう求めます。消費税は逆進性が強く、低所得者ほど負担が重い不公正税制の典型であり、税率の引き上げを許さず廃止または税率の引き下げを求めます。食料品などの日常生活必需品は非課税措置をとるよう要求します。
 住民税の定率減税廃止や税率10%フラット化による増税は中止するべきです。特に負担増が著しい低所得者や高齢者などには、制度に基づき、または自治体独自に税の減免や軽減措置の実施、制度の拡充を行うよう求めます。
 国保保険料(税)や介護保険料、その他の住民税額が算定基礎となり影響を与える各種の制度などで、住民負担を軽減する措置をとること、制度を拡充することを要求します。
 庶民への大増税、連続する負担増の一方で、大銀行や大企業はほとんど税金を払わない状況が続いています。大企業などを優遇する法人税減税や租税軽減の特別措置を抜本的に改め、利益に対し適正に課税することを求めます。高額所得者優遇の所得税・住民税の税率引き下げを見直し、累進性を高めるよう求めます。


(四)福祉、医療の改悪や年金受給権の侵害など、社会保障制度を破壊する全面的な攻撃をやめ、国の責任ですべての国民が安心して安全に人間らしく暮らせる社会保障制度を構築することを求めます。
 
 生活保護制度は、憲法25条に基づく国民の生存権を保障する最後の「セーフティネット」であり、申請権の侵害や受給の制限、これ以上の基準の改悪をやめ、制度・運用の抜本的な改善を求めます。
 すべての国民の年金権を保障するため、「年金納付記録消失」問題は国の責任で迅速かつ完全に解決し、挙証責任を問うことなく納付したすべての国民を救済することを要求します。低すぎる年金受給水準を改善させるため、最低保障年金制度の創設を求めます。共済年金と厚生年金の一元化に関しては、低位平準化による水準切り下げを許さず、国民全体の年金制度を拡充することを求めます。基礎年金の国庫負担2分の1の実現は、消費税などの増税ではなく、軍事費などむだな支出の削減や大企業減税の見直し等で財源をつくるよう要求します。
 公的な責任で行うべき福祉、医療などは、国や自治体の役割と責任を明確にして、制度を解体することや民営化・市場化することはやめるべきです。
 安全で安心できる医療を確保するため、医師や看護師を大幅に増員すること、病院などの統廃合や民営化を行わないことを求めます。資格証や短期証の発行は国民健康保険証の取り上げにつながり、国民の医療を受ける権利に重大な障害をもたらすため、これらの措置を行わないこと、国は自治体に保険証取り上げを強制しないことを求めます。政府は、不当にも国民年金の保険料未納を国民健康保険に連動させ、短期証への切り替えというおどしをかけて納付を強制する法改悪を強行しました。生命に直結する制裁措置を行い、医療を受ける国民の権利への重大な侵害となる法改悪はただちにやめるよう求めます。
 公的保育制度を解体、民営化することはやめ、保育園増設など国や自治体の責任で「待機児」問題を解消し、高い保険料など住民負担の軽減を図るよう措置させます。
 障害者施設や事業の利用者負担は、応益負担ではなく応能負担を原則とすること、負担の拡大や引き上げはしないことを求めます。
 

(五)国民のいのちと健康、くらしを根本から脅かす「構造改革」、自治体を変質させ営利化・市場化をすすめて住民と職員に犠牲を押しつける「自治体構造改革」をただちにやめ、いのちとくらし・権利を守る住民本位の行政を確立することを求めます。

 「経済財政改革の基本方針2007」は、「06骨太方針」に則り自治体の最大限の歳出削減をすすめるとしています。国民のくらしと地方自治の切り捨てを進める「構造改革」は矛盾を深めており、「自治体構造改革」推進による住民のくらしと自治の破壊をやめ、自治を拡充し住民生活を守る自治体をつくることを求めます。
 住民が安全に安心してくらせる自治体を実現すること、住民負担増や行政水準の切り下げにつながる民営化・民間委託推進の方針を見直し撤回することを求めます。「地方行革新指針」が掲げる5.7%の職員純減、民営化や民間委託は、「住民福祉の増進」、「住民自治の拡充」といった自治体の基本的な役割を損なうものであり、根本的に見直すよう要求します。自治体の公共責任を投げ捨てる「市場化テスト」や独自の「競争入札制度」の導入はやめるべきです。
 住民自治を形骸化させ、大企業本位の都市再生などを推進する「道州制」は導入するべきではありません。政府は大都市における市区町村合併の推進を求めています。国は自治体に対する合併押しつけをやめるよう求めます。「財政健全化法」は自治体の自主性を奪い自治を侵害するものであり、反対です。自治体を企業と同列に置き、破綻を前提にして市場にゆだねようとする「破綻法制」は導入するべきではありません。
 

(六)労働法制をこれ以上改悪せず、「格差と貧困」拡大や「ワーキングプア」をなくし、大企業の横暴を許さず社会的責任を追及して大儲けを社会に還元させ、不安定雇用労働者を含め誰もが人間らしく生き働くことができる雇用・賃金・労働条件を実現して、地域を活性化し発展させることを求めます。

 解雇規制をはじめとした、労働者保護のための規制強化を求めます。
 労働時間規制を適用除外にさせる、ただ働き残業の合法化は、引き続きねらわれており、導入しないことを強く求めます。労働契約法制の創設や労働者派遣法の改悪など、人間らしい働き方を破壊し「格差と貧困」を拡大する労働法制のさらなる改悪は許されません。
 不安定雇用労働者の賃金、労働条件の引き上げは急務です。「偽装請負」や「違法派遣」などの法違反の実態を抜本的に改善し、すべての労働者の均等待遇を実現することを求めます。法による規制、厚生労働省通達などの遵守とさらに拡充することを要求します。
 大企業を中心に、違法・脱法行為を含めてため込んだ莫大な利益を国民と社会に還元し、不安定雇用や低所得の労働者、低額な年金生活者など社会的弱者のための施策に活用することを求めます。
 生活保護基準をも下回り、人間らしい生活が保障されない劣悪な最低賃金の大幅な引き上げ、時間給1000円以上への底上げを求めます。
 雇用保険給付の抜本的な改善を含め、常用労働への就労を中心とした十分な雇用の確保を求めます。
 公務員賃金水準の改善は、民間賃金の改善や地域経済の活性化に影響を与えることを考慮し、「全体の奉仕者」としての職務に専念できる賃金・労働条件の確保を求めます。


(七)米軍再編強化、日本に莫大な負担を押しつける米軍基地移転、基地機能の強化と基地拡大をやめさせ、全世界を視野に先制攻撃を含む無法な軍事展開をねらう軍事同盟=日米安全保障条約の廃棄、真の世界平和と核兵器廃絶の実現をめざし行動することを求めます。

 日本全土にある米軍基地が、国民に耐え難い被害と苦難をもたらしています。世界中で先制攻撃戦略を展開するアメリカ政府は、日本にある米軍基地を移転・再編し、その機能を抜本的に強化・拡充していこうとしています。米軍基地の再編・強化と日本の役割強化に反対します。在日米軍のグァム島移転のため、日本が3兆円もの費用の大部分を負担することは絶対認められず、撤回を求めます。
 かけがえのない自然を破壊し名護市辺野古に新基地を建設する計画を撤回し、沖縄のアメリカ海兵隊を日本から撤退させることを求めます。横田基地の機能強化、座間へのアメリカ陸軍第一司令部移転、岩国基地へのアメリカ空母艦載機訓練移転、横須賀の原子力空母母港化などは、日本国民にとってきわめて危険・重大であり、地域住民の意思を尊重して撤回することを要求します。
 引き続きイラクに派遣されている航空・海上自衛隊は、イラク占領、侵略戦争を遂行するアメリカ軍への事実上の支援・協力が活動の大部分を占めています。現行憲法でとうてい認められない、海外での集団的自衛権行使につながるものであり、ただちに中止し撤退することを求めます。
 アメリカ政府は、自衛隊を米軍に従属・協力する世界でも有数の装備を有する実力部隊として、育成・強化しています。日本を海外で戦争する国に変えようするその根源には、日米安全保障条約があり、日米の軍事同盟体制はますます強化されてきています。自衛隊の海外派兵、日米同盟による集団的自衛権に基づく戦争を行うために、憲法9条の改悪が不可欠の条件としてねらわれています。このように危険きわまりない日米安保=軍事同盟を廃棄し、非核・非同盟・中立の平和な日本に変えていくことが、将来的には求められています。
 自衛隊による日常的な国民監視が行われていることが明らかになりました。違憲・違法な反民主主義の行動をただちに中止し国民に謝罪することを求めます。
 日本が直面している危険な状況を平和の方向に打開するために、この参議院選挙で、あらゆる戦争に反対、平和の実現を、人類と共存できないすべての核兵器の廃絶を、これらの平和の要求を高く掲げてたたかいましょう。