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| 2007年8月8日 東京自治労連中央執行委員会 | |
| 1 窓口業務市場化テスト問題で内閣府が市区町村へアンケート依頼 内閣府公共サービス改革推進室は、8月1日付で、関係市区町村行政改革担当課に対して、「市区町村の出張所、連絡所等における窓口業務についての市場化テストに関するアンケート調査について(依頼)」を通知しました。 このアンケート調査は、都内においては特別区などに対して内閣府から直接送信されており、提出期限は8月22日に設定されています。 このアンケートは、官民競争入札等監理委員会・地方公共サービス部会等において、本年の重点項目として、市区町村窓口業務の市場化テスト対象範囲拡大を位置付けており、各区市町村の「ニーズ」を口実として、関係省庁との協議を進めることを目的としているものです。 2 窓口業務民間委託化推進の策動 「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(以下、市場化テスト法という)が制定され、市場化テストが昨年度末に導入されています。 自治体関連の窓口業務としては、法第34条において@戸籍謄抄本等、A納税証明書、B外国人登録原票の写し等、C住民票の写し等、D戸籍の附表の写し等、E印鑑登録証明書、について、「特定公共サービス」と規定して、民間事業者に業務委託を可能としました。 しかし、自治労連を含めた取り組みの中で、委託業務の範囲を「受付」及び「引渡し」に限るという総務省・法務省判断を引き出し、足立区における窓口業務市場化テスト化を阻止するなどの到達点を得たものです。 しかし、内閣府を事務局とする官民競争入札等監理委員会は、この事態を不服として、市場化テスト対象範囲拡大へむけて、関係省庁へ「一次検討要請」を実施し、協議を進める中で、新たな総務省・法務省の見解を引き出しています。 さらに、今回実施する市区町村アンケート結果を活用し、窓口業務市場化テスト実施へ向けた環境整備措置を「二次検討要請」し、年内を目途に措置内容の結論を得ようとしています。 3 窓口委託化推進へ新たな総務・法務省見解 内閣府は、今回の市区町村アンケートに「住民基本台帳業務における民間委託活用に関する総務省の見解」及び「戸籍業務における民間委託活用に関する法務省の見解」(以下、新たな総務・法務省見解という)を添付し、これらに対する意見を求めています。 新たな総務・法務省見解は、「市町村職員の適切な管理下にある状況」で、民間事業者を活用するのであれば、「交付決定・審査」以外の業務について民間事業者による取り扱いを可能としています。 したがって、「受付」「引渡し」のみに限定せず、証明書作成・入出力端末操作について、住民基本台帳情報使用とあわせて可能との判断です。 また、証明書交付にとどめず、住民異動届・異動情報入力・転出証明書交付についても、「市町村職員の適切な管理下にある状況」での民間事業者による取り扱いを可能としており、従来よりも大きく踏み込んだものとなっています。 一方で、個人情報保護の留意とともに、「民間事業者が住民基本台帳ネットワークシステムを操作することは認められない」との判断を示しているとともに、派遣業法適用の可否については厚生労働省の見解によるべきとして、判断を転嫁しています。 4 新たな総務・法務省見解の問題点 (1)現行法制度(労働者派遣法・職業安定法)では実施不可能 「市町村職員の適切な管理下にある状況で民間事業者を活用する」とは、市町村職員の指揮監督下で業務を行うことです。 この場合は、「請負」では実施不可能であるため、「派遣」のみ可能となりますが、「派遣」では、専門26業種以外では、最大であっても3年間の導入に限定されるため、恒常的な委託導入は不可能です。 (2)実効ある個人情報保護方策は不可能 地方公務員法第34条第1項は、「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」と定め、違反者は1年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処せられます。 法律によって、退職後も含めて、罰則を伴うことでこそ、守秘義務は効力を有するものです。 受託事業者に対する個人情報保護方策は、自治体と法人である受託事業者との間における契約にとどまり、事業従事者は当該法人との契約によって守秘義務を付すこととならざるをえません。 この場合、雇用関係が存在する期間に効力はとどまるとともに、法的罰則が適用されないなど、実質的に公務員並みの守秘義務は担保できません。 また、個人情報保護のための物理的環境整備も事実上困難です。 例えば、住民基本台帳ネットワークシステム端末機は、住民基本台帳業務用とは異なるものの、住基ネット端末は、広域交付・住基カード交付に活用するため、一般的には住民基本台帳業務用と同一フロア=同一事務室内に併用可能な配置を行わざるを得ないものです。 民間事業者に住基ネット端末機操作をさせないためには、住基ネット端末機をその他の端末機とは別に隔離して、物理的に操作できない状況に整備する必要がありますが、そのような措置は事実上困難です。 (3)業務運営・効率性にも大きな疑問 一連の業務における「交付決定・審査」について、現実よりも軽微にとらえています。 そもそも、受付・申請書審査・添付書類審査・入力・作成・交付という一連の業務の各段階において、「判断=決定審査」が伴うものです。 民間事業者に判断を許さず、市町村職員が判断を行うということでは、常時、民間事業者に市町村職員が寄り添うことがないと、その都度、対応者が入れ替わることとなり、結果的には利用者にとってサービス低下となります。特に、現在は、第三者請求対応についても、トラブルが多く、常勤職員による対応でこそ説得力を有しているものです。 また、受付・交付時対応として、転出入者であれば、国保や老人医療をはじめとした関連業務との関係での対応も生じるため、結果的に市町村職員で無ければ十分な対応はできないものです。 さらに、住基ネット端末の設置位置が離れるなど、業務の効率的運営に支障がでるなど、業務運営実態を踏まえず、効率化効果にも大きな疑問が生じるものです。 5 対応について (1) 自治労連本部に以下の事項を依頼し、必要な対応を行います。 @ 「請負」「派遣」の関連法規との関係で新たな総務・法務省見解に問題があることについて厚生労働省に要請を行う。 A 内閣府・総務省・法務省に対する要請の実施。 B 個人情報保護方策との関係で、民間事業者の守秘義務問題などに係わる法制度面での検討。 (2) 内閣府市区町村アンケートへの対応については、各市職・区職労から、当該行革担当課に対して、以下を基本に必要な対応を行うこととします。 @ 本見解を参考として、問題点を指摘し、これらを踏まえた対応を行うように求めます。 A 内閣府の市区町村アンケートは、現実の業務内容に精通していない行革担当課に対する質問となっており、業務実態を踏まえぬ回答が懸念されることから、少なくとも、所管課意見を踏まえた回答を行うように求めることとします。 |
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| 以上 |